セルジオ越後の一蹴両断! 第265回「壮行試合で男子五輪代表に試してほしいのはトリプルボランチ」

週プレNEWS / 2012年7月11日 15時0分

なでしこと対照的な男子五輪代表にトリプルボランチをおすすめしたい

ロンドン五輪に出場する男子の五輪(U-23)代表となでしこジャパンの壮行試合が、国立競技場でそろって行なわれる(7月11日、キリンチャレンジ杯。対戦相手は男子がニュージーランドU-23、なでしこがオーストラリア)ともに本大会登録メンバー18名が発表されてから初めての試合だ。

男子はオーバーエージ(OA)枠で吉田と徳永のふたりが加わり、さらにアジア予選を戦ったメンバーから入れ替えがあったけど、サプライズは特になかった。相変わらず世間の注目度は低いし、寂しいかぎりだ。

これまでの戦いぶりを見ると、ロンドン五輪では苦しい戦いになるのは間違いない。そんななかで、このチームがどこに勝機を見いだすのか。まず課題になるのが、5月に参加したトゥーロン国際大会(フランス)で崩壊した守備の立て直しだ。当然、関塚監督もセンターバックにOAの吉田を起用するつもりだろう。

それに加えて、僕はこれまでの山口、扇原に、OAの徳永も入れたトリプルボランチをおすすめしたい。単純に守備に人数を割くのはもちろん、酒井宏、酒井高という攻撃能力の高い両サイドバックのどちらかが攻め上がったときのカバーリングもラクにできるからだ。一昨年の南アフリカW杯で、日本代表は中盤の底に阿部を入れて守備を安定させたけど、それと同じイメージだね。

そして、攻撃は個人で局面を打開できる3人に託す。ワントップにスピードのある永井、その下にボールをおさめられる宇佐美、清武を置いてカウンターを狙う。このサッカーなら大崩れしないし、試す価値はあるよ。

ただ、困ったことに、壮行試合の相手ニュージーランドは、本番で対戦する相手(スペイン、モロッコ、ホンジュラス)とはレベルが違いすぎる。守備を試したいのに、ニュージーランドが引いて守ってくることも考えられる。毎度のこととはいえ、日本サッカー協会はもう少し歯応えのあるマッチメイクをできなかったのかな。

男子とは対照的に、なでしこは世間の期待感も大きいね。

僕の目から見ても、準備は順調だと思う。正直にいえば、昨年の女子W杯優勝以降のフィーバーぶりに選手がヘンな勘違いをして、プレーがルーズになるのではと危惧していたし、実際、そう感じることもあった。

でも、本番でメダルを争うような強国と何度も強化試合を行なってきたのがよかったね。マッチメイクの事情が異なるにせよ、男子とは大違いだ。特に6月のアメリカ戦での大敗(1-4)によって、選手全員が危機感を共有しているはず。宮間が「これじゃ(本番で)勝てない」と言っていたけど、負けたことによって、必死に走って守って、最後の最後まであきらめないという自分たちのよさを取り戻せると思う。

唯一、心配なのは澤の復調具合かな。豊富な運動量がベースの選手だけに、本番までに100パーセントの状態に戻すのは難しいかもしれない。その場合はスタメンを外して、スーパーサブにすべき。佐々木監督がどんな決断をするかに注目だね。 ただ、それを差し引いても、なでしこはメダルを狙うのにふさわしい準備ができている。ノーマークだった女子W杯とは比較にならないプレッシャーがかかるけど、ぜひこの壁を乗り越えて金メダルを獲ってほしいね。

(構成/渡辺達也)



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