セルジオ越後の一蹴両断! 第267回「スペイン戦は真っ向勝負を挑んではダメ」

週プレNEWS / 2012年7月26日 15時0分

初戦のスペイン戦は負けてもいい。“どう終えるか”が大事だ!

いよいよロンドン五輪が開幕するね。

国民的な期待を背負うなでしこジャパンは準備も順調。万全の状態で本番に臨めそうだ。決勝トーナメント進出はもちろん、メダル争いに絡むのは間違いない。昨年の女子W杯よりもプレッシャーは大きくなるけど、あのときのような粘り強いサッカーで頑張ってほしいね。

問題は男子だ。こんなに期待も注目もされないチームは初めてだろう。でも、それも当然。これまでの強化スケジュールやメンバー選考など、大会に臨む姿勢があまりにも中途半端だったからだ。特にオーバーエージ(OA)枠をフル活用しなかったことと、この世代の目玉の香川(マンチェスター・U)の招集を見送ったことは非常に残念。日本サッカー協会は本当に勝つ気があるのかなと首を傾げてしまうよ

また、誰とは言わないけど、招集を拒否した選手が何人もいるというのも腹が立つ。どれほどの大物なんだと言いたいね。A代表ではないとはいえ、国を代表する名誉を軽く考えすぎ。ブラジルなら裏切り者扱いされて、二度と代表チームに呼ばれなくなる。日本のファンもメディアも怒るべきだ。

ただ、こうした事情は五輪に出る選手たちには関係のないことだね。厳しい戦いになるとは思うけど、なんとか結果を出して見返してほしいよ。

そのためにも、とにかく重要なのが26日の初戦。相手は優勝候補にも挙げられるスペイン。メンバーも充実しているし、A代表が欧州選手権で優勝したばかりで、この世代も気合いが入っているだろう。日本が勝てば、それは“奇跡”。それぐらい強い相手だ。

決勝トーナメントに進むためには、このスペイン戦を“どう終えるか”が大事。ここで大敗するようだと精神的なダメージを受け、続くモロッコ戦(29日)、ホンジュラス戦(8月1日)にも影響する。日本の現実的な目標は2位でのグループ通過。だから、スペイン戦は守りを固めて0-0の引き分け狙いでいい。極端な話、負けても1点差なら全然オーケー。どこまで耐えて守れるか。以前も言ったけど、中盤の底にOAの徳永(FC東京)を入れてトリプルボランチの形にするのがいいと思う。真っ向勝負を挑んではダメだ。

思い出したいのは、“マイアミの奇跡”と呼ばれる1996年アトランタ五輪のブラジル戦だね。あの試合ではGKの川口がヒーローになったけど、今回もGKの権田(ごんだ・FC東京)に期待しよう。

2位でグループを突破すれば、決勝トーナメント初戦の相手はおそらく優勝候補筆頭のブラジルになる。ブラジルにはネイマール、パト、ガンソらに加えて、OAでフッキ、チアゴ・シウバ、マルセロとA代表同然の豪華メンバーがそろっている。2014年に自国開催するW杯、さらに2016年リオデジャネイロ五輪を控えるだけに力が入っているんだよね。本気で優勝を狙っている。

そんなチームとガチンコの勝負ができるチャンスはなかなかないよ。スペイン以上に勝つのが難しい相手だけど、サッカーは何が起こるかわからない。また、大敗したとしても、メディアやファンの人も含めサッカーに関わるすべての日本人が世界のトップの力を肌で感じられることの意義は大きい。だからこそ、なんとかブラジル戦までたどり着いてほしいね。

(構成/渡辺達也)



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