人間の想像力を軽く超えた“とんでもない生き物”とは?

週プレNEWS / 2012年7月31日 6時0分

本折浩之氏によると、日本でも多くの新種生物が見つかっているという

地球に生命が誕生したのは35億年前。現在、発見され名前がついている生物はおよそ200万種、“未確認生物”は数百万種もいるといわれており、現在も毎年、3000種が新たに発見されている。そんななかには、人間の想像力を軽く超えたとんでもない生き物が……。この10年ほどの間に発見された珍種71種を紹介するのが『進化しすぎた「新種生物」ファイル』だ。

―この本の中で本折さんお気に入りの生物は?

「頭部が透明の深海魚『デメニギス』はインパクトがありました。アメリカのカリフォルニア州・モントレーで見つかったんですけど、完全に頭の中の器官が丸見えなんです。しかも、目は頭の中に格納されている。ドーム状の頭部が透明だから、頭の中に目があっても周囲が見えるし、眼球がぐるりと回転して後ろのほうまで見ることができるんです」

―肺がないカエルもすごいです。

「インドネシアのボルネオ島に生息するカエルですね。ソーラーパネルのような平べったい体をしていて、全身で皮膚呼吸をしています。普段、流れの速い渓流で生活をしているので、浮輪のような役割を果たしてしまう肺が邪魔になった。それで肺がなくなってしまったといわれています。見た目はすごくおっとりしたかわいいやつなんですけど、すごく思い切った進化をしたカエルです」

―ほかにも、“頭に生殖器がついたサメ”とか“手みたいなヒレを使って海底を歩く魚”など、奇抜な生き物がたくさん出てきますね。びっくりするのは、これらが全部、ここ10年ほどの間に発見されているということです。いったい誰がどこで見つけてくるんですか?

「環境保護団体のWWF(世界自然保護基金)や海洋生物研究のネットワーク『海洋生物のセンサス』所属の研究者などが多いですが、アマチュアで新発見をする人もいます。

場所は、アマゾンの奥地やマダガスカルのようなところが目立ちますね。でも、体長5.1cmのサンショウウオ『パッチノーズド・サラマンダー』は2007年にアメリカのジョージア州で見つかったのですが、市街地を流れる川で泳いでるところを捕獲されたんです。

ペルーで見つかった“木をかじるナマズ”のように、地元の人には昔から食材として有名だったものを研究者がつい最近発見した例もあります。日本でも多くの新種が見つかっています。あなたのそばにも、新種生物がいるかもしれませんよ」

―ロマンあふれる話です。こんな不思議な生き物がいろんなところで見つかっているとなると、ビッグフットやカッパみたいな「UMA」も、実はどこかで生息してそうな気がしてきます。

「むしろ、UMAのほうが人間の常識の範疇(はんちゅう)にありますよね。自分の生存のために進化してきた自然界の生き物のほうが、人間が考え出した突飛な生き物より奇抜なんです」

―人間の想像力が自然界の進化のメカニズムに負けている、と。

「そうなんですよ。『後ろのほうまで見るために頭を透明にする』なんて考える人間はなかなかいないでしょう。この本で紹介した生物は、新種ですからまだ研究が進んでなくて、なぜこのような形に進化したのか解明されていないものがたくさんあります。

読者の方には、本を読みながら『こいつはなぜこんな進化をしたんだろう』って想像してほしいですね。ベッドの脇において寝る前に読むとか、トイレで便座に座るたびに数ページずつ見てあれこれ考えてもらえたらうれしいです」

(撮影/高橋定敬)

●本折浩之(もとおり・ひろゆき)



1977年生まれ、三重県出身。文筆家、マンガ原作者。世界各国を巡るフィールドワーカー。共著で『作家と温泉お台場から生まれた27の文学』(河出書房新社)がある

『進化しすぎた「新種生物」ファイル』



PHP研究所 680円



アマゾンの奥地や深海、都会でと、新種生物は各地で発見されてきている。本書は近年発見されたものから、びっくりするような珍種を紹介。“岩を登るナマズ”“長い爪で素早く木に登れるが降りることは苦手なカンガルー”など、71種を紹介





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