脱原発デモの先に何が見えるのか? マンガ家・いましろたかし「“結果”は出ないと思う。だけど、やるしかない」

週プレNEWS / 2012年8月13日 0時30分

デモには「国土とか、誰かのためとか、そういう気持ちで来ている人間が多いはず。そうじゃないと、あんなしんどいことやってられないよ」と語るマンガ家のいましろたかし氏も、去年の夏からデモに参加しているひとりだ

日本全国に広がる脱原発デモ。だが、その声は日本を変えるのか。それに参加することに、本当に意味はあるのか。日本型デモのあり方とその結果について、マンガ家のいましろたかし氏に聞いた。

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去年の夏からデモに参加している。最初は行くつもりなかった。デモをやったって「原発が止まる」っていう“結果”は出ないだろうから。

でも、菅直人が脱原発を掲げたあたりで急に首相の座から降ろされそうになって「このままだとヤバイな」っていう。なんでもいいから行動しなきゃって。日本の政治があそこまでひどいとは思わなかった。

で、今年になってデモの規模は大きくなったけど、やっぱり結果が出ない。国家の中枢にいる政治家たちは、今後もこの声を無視するだろうね。

反原連(首都圏反原発連合)の評判はいいもんじゃないよ。「仕切りすぎ」「口うるさい」ってデモに参加している人からも聞く。6月29日の首相官邸前デモで、反原連のミサオ・レッドウルフが「20万人が集まったくらいじゃ原発は止まらないんです」って言ったんだ。俺はガッカリしたね。自分でも内心はそう思ってるくせに、あの場で主催者に無駄だと言われてみると、腹が立って脱力した。なんとも矛盾しているけど。

だいたい、反原連は警察と協力しながらデモを運営しているらしいけど、なんだそれって思う。政府はデタラメとルール無視を繰り返しているのに、こっちがそれをやると取り締まられる。最初からフェアじゃないんだから納得いかない。

自分の生活を守るためには人の生活も守らないといけない。日本がダメになっても自分だけはなんとかなるなんて、そんなわけがない。「人がいて自分がいる」という意識が日本人のなかから薄れてしまったように感じているよ。だけど、デモに参加しているやつらはそんな人間じゃない。国土とか、誰かのためとか、そういう気持ちで来ている人間が多いはず。そうじゃないと、あんなしんどいことやってられないよ。

いまだに脱原発で「電気が足りなくなる」って言う人がいるけど、そいつらから見るとデモをやっている連中は「バカ」なんだろう。でも、本当に「バカ」なのはどっちだよ? このことをはっきり伝えないといけない。これは大手新聞とかテレビとかマスコミの責任だけど、連中も政府と結託して情報を出さない……ホント、どうしようもねえな。

だから、このデモに“結果”を期待しているかって聞かれると、してない。でも、ダメかもしれないけど、やるしかないってあるだろ? そんな気持ちだよ。

■いましろたかし



1960年生まれ、高知県出身。今年2月に原発への恐怖、政府への怒りを生活者の目線で描いた『原発幻魔大戦』(エンターブレイン)を刊行



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