若者よ、スタートアップ【起業】せよ! ガラパゴス代表取締役社長・中平健太「くたびれた35歳がいる会社に入社しろ!」

週プレNEWS / 2012年8月15日 6時0分

2009年にスマホ用のアプリ開発会社『ガラパゴス』を立ち上げた中平健太氏は現在31歳

仕事がなかなか見つからない! 見つかっても理不尽なパワハラで、ウツ→出社拒否→無職に戻るの無限ループが……!? “だったら、自分で会社作っちゃえばいいんじゃね?”と立ち上がる若者たちが増殖中。今回は週プレが注目するスタートアッパー・中平健太社長の登場です。

「僕は『世界を変える』とかいうよりも『きちんと健全にお金を稼げるシステム』というものを自分でつくってみたかったんです」

と話すのは、スマホ向けアプリの開発で急成長中のガラパゴス・中平健太社長。壮大な夢を見ることから始める起業家が多いなかで、珍しいタイプだ。

「そんななかでまず自分たちはスタートアップ時に、投資ではなく創業融資を受けて800万円ほど借り受けられました」

―おお、しょっぱなからお金集めがうまくいったんですね! では、それを早速ドドーンと派手に使って大きな成果を?

「いやいや。僕らは一発の大きいホームランではなくコツコツとヒットでつなぐほうがいいと考える創業メンバーが集まったんです。 なので初めは極力固定費を下げるために、4人の創業メンバーのうち、ふたりは実家に戻って、ふたりは池袋に月9万円のボロッボロの2DKを借りて、そこを事務所兼用で使ってました。

当時はみんなの年収は100万円を切っていて、家賃や光熱費など必要最低限のお金を払ったら後に残るのは月に1万円。仲間が缶コーヒーを飲んでたら『それ、贅沢すぎじゃない?』とツッコミを入れるぐらい。でも、意外とこれでやっていけるモンなんです。頑張ってると友達がお酒とかおごってくれますし。昼ごはんも持ち回りで料理していたので、腕が上がる上がる(笑)」

―それだけ堅実に経営を行なえば、その後はトントン拍子で会社は回っていったということかと?

「いや、それが起業したては右も左もまったくわからなかったので、3件ぐらい変な案件で振り回されましてね。全然集客できなくてモノは売れないし、こちらが悪くないのになぜか夜中に恫喝されるし、さんざんな目に。人間の汚いところもキレイなところもいろいろ見ることができました。

でも、そうした経験もあって、人間的にはだいぶパワーアップしたと思います。スーパーサイヤ人と一緒で、瀕死になった状態から復活したらさらに強くなってるみたいな」

―やっぱりピンチは人間を強くするんですね。

「そのおかげなんですかね。起業してしばらくしてから、同年代のサラリーマンよりもチヤホヤされるようになってきたと思います。オーラが違うんだと思いますよ!」

―となると、夜遊びのほうもサイヤ人並みに?

「いえいえ。一番会社が厳しかったときに付き合い始めた彼女と結婚して、今は家庭が一番大事なんです。でも、“周り”の起業家はけっこうモテてるみたいですよ」

―では、これからスタートアップを目指す若者たちに何かアドバイスはありますか?

「孤独に殺されるので、決してひとりでは起業しないこと。いい仲間を見つけることが本当に重要です。創業メンバーは学生時代の友達ではなく、会社の同期が一番いいですね。『仕事をする』っていう目的があって、あまり関係が近すぎず、ちょうどいい距離感なんです。同期の中で優秀な人材を上から順に片っ端から誘っていくのが正しいと思います。

それと、まだ社会がよくわかっていない20代のアホなうちに会社を辞めたほうがいい。できれば、会社に入って3年以内に辞めることをオススメします。もし踏ん切りがつかないのであれば、同僚に『いつまでに辞める』と退社時期を宣言することも効果アリです。とりあえず辞めてみてから考えましょう」

―「考えるより行動を」ということでしょうか。

「そうですね。人間は環境にアジャスト(適応)する生き物なので、なんとかなりますよ。あとはあんまりいい会社に入らないこと。独立を考えているのなら、やりがいがあって辞めたくなくなるような大手の商社などに入っちゃ絶対にダメです。

起業をするために入社すべき会社のわかりやすい見分け方は、その会社で働く35歳の社員を見て、疲れ果てた人がいたらOK。無理にでもそこに入ったほうがいい。逆に充実感で満ち満ちているような先輩が少しでもいたら、その会社は要注意! 起業する邪魔になりかねません(笑)」

(取材・文/恒吉浩之)

<起業3ヵ条>



(1)在庫を持たない



焦げ付いてしまうリスクがあるため、在庫を持つビジネスには絶対に手を出さない

(2)固定費をなるべく低く



固定費が高いと、会社の経営状況がちょっと傾くだけでもピンチに陥ってしまう

(3)回収サイトを短くする



キャッシュフローが悪化するため、すぐに利益にならない仕事はやらない

●中平健太(なかひら・けんた)



1981年6月13日生まれ。早稲田大学理工学部卒。新卒でインクスに入社。コンサルタントとして企業向け基幹システムの開発を担当。2009年3月、ガラパゴスを創業。



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株式会社 経営共創基盤パートナー/マネージングディレクター 塩野誠



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●2012年最注目のスタートアップ「ソーシャルランチ」創業者(福山誠氏、上村康太氏)インタビュー&プレゼン資料も掲載



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