独身と既婚で老後の支出額に1000万円の差が出る?

週プレNEWS / 2012年8月16日 16時0分

編集者を経てファイナンシャルプランナーとして独立した大竹のり子先生が、生涯に必要な金額をズバリ解説!

若い独身男性が結婚に踏み切れない理由のひとつに、「こんな少ない収入で結婚できるわけがない」という不安がある。実際のところ、結婚するとどれだけおカネがかかるのか。ファイナンシャルプランナーの大竹のり子先生に協力してもらい、独身男性と既婚男性の支出の差を検証してみた。

比較対象は手取り月収22万円の独身A氏(IT関連会社勤務、28歳)と、手取り23.6万円の既婚B氏(流通会社勤務、34歳)のふたり。A氏は1DKの賃貸マンションにひとり暮らし、B氏は2DKの賃貸マンションに専業主婦の妻、1歳の娘と暮らしている。

「結婚すれば、ふたりでワンルームは狭いので家賃12万円から15万円くらいのマンションに住むケースが多いですね。独身時代の1.2倍から1.5倍くらいの住居費がかかります。もろもろの生活費も1.5倍ほどで、生活コスト全体で1.5倍程度が目安になります」(大竹先生)

実際に独身A氏と既婚B氏の支出を比べてみると、A氏の生活コスト(住居費+食費+水道光熱費)が11.8万円、B氏が18.2万円。まさしく約1.5倍だ。にもかかわらず、B氏の場合、手取りはA氏より月に1.6万円多いだけ。当然、生活コストのしわ寄せが出てくる。B氏の手取り年収はおよそ327万円だ。

「手取り年収300万円強だと、すごくうまくヤリクリして奥さんが専業主婦でやっていけるギリギリのラインです。でも子供がいると、奥さんも働かないと家計が回らなくなります」(大竹先生)

子供ひとり当たりの大学卒業までの教育費と、一般的な扶養期間22年間の日々の衣食住などにかかる基本的養育費を合わせると、最低でも年間120万円が追加でかかる計算になる。

独身、既婚、子供ができた場合の年間支出をそれぞれ単純計算すると、独身A氏の現在の年間支出は272万円(手取り年収は294万円)。もし結婚して夫婦になると支出は342.8万円に増え、さらに子供がひとりできると年間462.8万円もの支出にハネ上がる。

現状の収入では、A氏は結婚しただけで年間50万円の赤字になるうえ、子供ができた場合は年間170万円ほども足りない。やはり年収が500万円くらいないと、結婚は難しいのだろうか。

「今、フリーターなどを除いても全体の40%以上の方が年収300万円以下です。年収500万円の人は全体の2割から3割にすぎないので、年収500万円のハードルはかなり高いと思います。だったら、共働きで互いに300万円ずつ稼げれば、年収600万円になると考えるほうが楽なのでは?」(大竹先生)

彼女に寿退社はあきらめてもらって、共働きを選べば結婚への道が開けそうだ。

これらを踏まえ、老後の費用についても計算してみよう。今、リタイアしている年金生活者の夫婦は、公的年金では月5万円(年60万円)、独身で月4万円(年48万円)ほど生活費が不足しているとされている。となると、65歳から90歳までの25年間でB氏は1500万円、A氏で1200万円が足りない計算になる。

また、60歳で定年退職した場合、65歳まで年金はない。既婚B氏の年間生活費を300万円、独身A氏を200万円とすると、5年間でそれぞれ1500万円、1000万円が必要となる。「つまり、60歳までに夫婦なら3000万円、独身なら2000万円はためる必要があります」と大竹先生。現行の年金制度の維持を前提としても、独身と既婚者で老後に1000万円近い支出の差が生じてくるのだ。

一生独身を貫くにしろ、結婚を選択するにしろ、生涯のマネープランは早めに練っておく必要がありそうだ。

(取材・文/鈴木英介、撮影/高橋定敬)



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