ロンドン五輪で大躍進! 北朝鮮の次の標的はなでしこジャパン?

週プレNEWS / 2012年8月23日 18時0分

金正恩体制になって初の五輪となったロンドン五輪で、北朝鮮は同国過去最多タイの金メダルを獲得し、世界を驚かせた。彼の国のスポーツ育成・強化の事情を知るべく、ジャーナリストの木村元彦氏が平壌に向かった

日本史上最多となる38個のメダルを獲得したロンドン五輪。その大会で、終盤は失速したものの、前半で金メダル4個・銅メダル2個を獲得し、一時は国別メダル獲得ランキングでも日本と並んでいたのが北朝鮮だ。終わってみれば、国別メダルランキングでもスペイン、ブラジルを眼下に置く20位に入り、大躍進を遂げた。

構成された代表団の選手数は56人。日本の293人の約6分の1ということを考えると、効率のよさが光る。その躍進の秘密について、北朝鮮で最も人気の高いサッカー解説者のリ・ドンギュウ氏(75歳)に聞いた。

「朝鮮のスポーツ競技は、歴史的に思想戦、闘志戦、技術戦、速度戦というものが要求されています。それは現在では戦略、メンタル、テクニック、スピードと言い換えられるかもしれません。例えば、今のサッカーで言えば技術は少し劣るかもしれませんが、窮地に陥ったときにも徹底的に粘る。諦めない。だから、華やかなゴールは相対的に少ないのですが、2010年南アフリカW杯の予選もそんな粘りで勝ち抜いたわけです」

そんな北朝鮮では、2006年のU-20ワールドカップ大会での優勝を契機に、女子サッカーに対する関心がとても高まっているという。では、その育成と強化のシステムはどのようなものなのだろうか。

「まず、各小中学校に女子サッカー部があります。そこで練習をして、さらに選抜された選手たちは、授業終了後に平壌にある青少年体育学校という施設に集まってそこでもトレーニングをします」(リ氏)

北朝鮮の義務教育は幼稚園1年、小学校4年、中学校6年という学制で、日本に当てはめて考えると、実質、高校1年まで義務教育の部活動で指導がなされる。

日本女子の場合は長年、中学生年代の育成機関が乏しく空白となっている現状(それゆえに一選手である澤穂希が、自ら女子サッカー部設置を働きかける『澤プロジェクト』を立案している)があることを考えると、このあたりは国家が管理するステートアマとしての強み。青少年体育学校は、いわばナショナルトレセンと考えることができるのだ。

北朝鮮の強さの秘訣は、国内での一貫した育成システムで若い世代を育て上げてきたことにあったのだ。

木村元彦(きむら・ゆきひこ)



ジャーナリスト。アジアや東欧のスポーツ人物論、民族問題などを中心に取材・執筆活動を行なう。近著は『争うは本意ならねど ドーピング冤罪を晴らした我那覇和樹と彼を支えた人々の美らゴール』(集英社インターナショナル)

■週刊プレイボーイ36号「北朝鮮、知られざる“スポーツ強国!の現場!!」より



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