なでしこジャパンの世代交代、重要なのは「ポスト澤」よりも「ポスト大野」

週プレNEWS / 2012年8月27日 13時0分

ロンドン五輪で悲願のメダルを獲得した澤穂希は、代表歴20年目に突入。大野忍らとともに、なでしこも世代交代の時期が近づいている

現在、日本で行なわれている女子サッカー20歳以下の世界一を決めるサッカーU-20女子W杯。日本代表は見事グループリーグを突破し、30日からの準々決勝に進出。お姉さんたちであるなでしこジャパンに若い世代が続けるか、注目が集まっている。

昨年のW杯優勝に続き、ロンドン五輪でも銀メダルを獲得し、いまや世界のトップに君臨するなでしこジャパンだが、3年後のW杯、4年後の五輪を見据えた場合、新たな戦力の台頭は必須だ。ディフェンスの要(かなめ)、熊谷紗希(21歳)のように、これからさらに成長が期待される選手もいる一方で、チームの絶対的存在である澤穂希は現在33歳。また、FWの大野忍やDFの近賀ゆかりは28歳と、中心選手の平均年齢も上がりつつある。つまり、選手の世代交代こそが、継続的なチーム強化にとって重要といえる。

サッカー誌編集者のA氏は、なでしこの世代交代について、以下のようなポイントを挙げる。

「澤については、宮間あや、あるいは田中明日菜で穴を埋められることがすでに証明されていますから、心配ない。むしろ懸念されるのは、大野忍のように仕掛けられるFWの後継者探しです」

今年に入り、体調不良から一時チームを離れた澤だが、澤抜きとなった3月5日のアルベルガカップでは、アメリカ相手に1-0の勝利を収めている。一方でFWは、ポストプレーができる大儀見優季に対し、ドリブルで仕掛けていくタイプの大野。この大野タイプのFWが戦力的には貴重な存在だ。

飛び級でなでしこに召集された19歳の岩渕真奈という期待のホープもいるが?

「確かに、才能としては申し分ない。しかし、彼女は今年初頭に小指を疲労骨折するなど、利き足である右足にトラブルを多く抱えています。今でも痛みをこらえながらプレーしている状態で、もしかしたら90分のフル出場を続けていくのは、この先も難しいかもしれない。だから、次代のFWの軸になれるかどうか微妙なところなんですよ」(前出・A氏)

では3年後、ポスト大野になり得るアタッカー候補はいるのだろうか?

「大野のようなドリブラーではありませんが、吉良知夏(きら・ちなつ/21歳・浦和レッズ・レディース)などはゴール前のわずかなスペースを見つけて飛び込んでいくマンUの香川真司のようなタイプ。近い将来に大化けする可能性を感じさせます」(スポーツ紙なでしこ番記者B氏)

今回のU-20W杯の上の世代にも、まだまだ期待の選手はいるということだ。

「いずれにせよ、いきなり次代のエースが現れるはずはない。でも、逆に言えばこれからの1、2年は、次の世界制覇のための大切な準備期間。どのようにして一からチームがつくられ、育っていくのかをじっくり見守ることができるわけですよ」(A氏)

今後の女子サッカーは、目の前の一戦一戦に一喜一憂するのではなく、3年後、そして4年後に向けて成長していく姿を楽しんでみよう。

(写真/井上太郎)



【関連ニュース】

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング