2013年、老舗のガソリンスタンドが大量廃業する?

週プレNEWS / 2012年8月30日 13時0分

平成8年度末から、毎年1000以上ものガソリンスタンドが廃業に追い込まれているという

平成8年度から緩やかな減少傾向にあるガソリンスタンドだが、来年、その落ち幅が過去最大になるかもしれない。平成23年2月に施行された消防法および省令の改正に伴う「ガソリンタンク設備改修の義務化」。その改修を行なう猶予期限は施行から2年間となっており、来年2月がそのタイムリミットなのだ。

「ガソリンタンク設備改修の義務化」とは何か、旗振り役の消防庁が以下のように説明する。

「ガソリンスタンドは地下に貯蔵タンクを備えています。このうち昔の規格で作られ、設置されて40~50年たったものは、タンクの劣化によりガソリンなどが漏れ出す恐れがあります。そこで平成22年の法令の改正で、これらのタンクについて、内部の樹脂コーティングや液漏れ感知設備の設置などを義務づけたのです」(消防庁危険物保安室)

40~50年前というと日本の高度成長期で、モータリゼーションの進展とともに全国に多くのガソリンスタンドが開設された時期。いったい、改修の対象となるガソリンスタンドは何ヵ所ぐらいに上るのだろうか? 石油販売業者の業界団体「全国石油業共済協同組合連合会(全石連)」に聞いた。

「規制の対象となる貯蔵タンクは、構造の違い、設置されてからの年数によりいくつかに分けられるのですが、私たちのまとめでは、合計1万7600本ほどと見込まれています。平均的な大きさのガソリンスタンドには、だいたい4本くらいの地下貯蔵タンクがあるので、店舗数に直すと4000店強ということになりそうです」

4000店というと、日本のガソリンスタンド総数の1割強。全石連によると、タンクの改修には、1本当たり150万円、店舗当たりに直すと600万円ほどの費用がかかるという。改修には、国からの補助金が出るのだが……。

「補助金については、仮申請の段階で全国から4786件の申し込みがありました。現在はその申請を本申請へ切り替える手続きを進めているところです。ただ、補助金は全額出るわけではなくて、費用の3分の1は申請した業者の自己負担となります。もし改修費が600万円だとすると、200万円は持ち出しになるということです」(全国石油協会)

全国石油協会によると、この自己負担分は「ガソリンスタンドにとって、10年、20年というスパンで回収を考えるレベル」というから、かなりの負担だ。

「ガソリンスタンド事業は、長く続いた過当競争、そして近年のクルマ離れなどによる需要の低迷などから、十分な利益を確保できないまま、これまで右肩下がりを続けてきました。そのため、ここでコストをかけて改修したとしても、それが将来ちゃんと回収できるかどうか危ぶむ事業者もいらっしゃるのです。なので、投資することをあきらめる事業者もいらっしゃいます。実際、仮申請から本申請に切り替える段階で、すでに100事業者ほどが申請の取り下げ、つまり『廃業』を選択しているのです」(全国石油協会)

あくまでも来年2月は、改修義務化のスタート。つまり、改修が必要な古い構造のタンクは、今後20年間ほど毎年出てくるという。エコカーの普及、自動車販売台数の減少などの“逆風”に加え、ガソリンスタンドは厳しい局面を迎えている。

(取材・文/「ガススタ難民」取材班、イラスト/有野 篤)

■週刊プレイボーイ37号「2013年“ガススタ難民”が大量発生する!?」より



【関連ニュース】

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング