戦地を駆けるジャーナリスト、山路徹「若者よ、一年に一度は遺言を書け!」

週プレNEWS / 2012年9月23日 11時0分

「遺言を書くことで初めて気づく自分がある」と語る山路徹氏

人生は、いつ終わるかわからない。突然そのときが来ることを想定し、何をしておけばいいのか。命がけの戦地取材記者だが二股スキャンダルは隠せなかったという山路徹氏に学ぶ、「終わりへの備え」とは?

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危険な取材であればあるほど生きて帰ることが大事だと思います。それでも「これでおしまいだな」と思ったことが何度かあるなぁ。

直近だと、ビルマへの潜入取材中に軍事政権に拘束され、留置場にぶち込まれた。そこが戦火に包まれたんだけど、鍵がかかっているから逃げられない。そこに弾がバカバカ飛んできましてね。死を覚悟したとき、走馬灯のように自分の過去がよみがえってくる……な~んてことは一切なくて、「俺、まだ何もやってない。このまま終わるのかよ!」って悔いばかりが残った。人はいつ終わりを告げられるかわからない。だから今日一日を悔いなく生きようと今は思っているんです。

今どきのモテる男は「3平(さんぺい)」(心の平穏・平均的な年収・平凡な容姿)らしい。ヤバいことから避けるように長生きして、「俺の人生、平らだったな」と最期に振り返るのって楽しいかな? 俺なんて、いまだに2年前の“二股スキャンダル”のことで批判されるけど、当時のことが嫌で嫌で思い出したくもないなんて気持ちはこれっぽっちもないから!

反省はあっても、後悔はない。人生1回でしょ。自分の人生を悔いなく生きようと懸命になったら、周りの批判なんてどうでもよくなるんだよ。自分がサンドバッグになって叩かれるだけ叩かれて、これでもかってところまで叩かれたら、世の中がきちんと浮上させてくれる。世間ってそんなもんだよなぁ。

そういえば戦場で一度、遺言を作ったこともありましたね。ある夜、ホテルの一室で遺言ビデオを撮ったの。でも、いざカメラを回してたら、のっけから「ごめんなさい」(笑)。死ぬことが前提だから、とにかく謝るしかなくて。で、その後、俺の場合は「何かわからなくなったらココに聞いてください」とか、細かなことを冷静に指示してた。遺言がすごいのは絶対に嘘をつけないこと。生きてれば他人に知られたくないことなんてたくさんあるだろうけど、遺言で嘘ついたら自分を裏切ることになるし、意味がないでしょ。最期の最期に、それは絶対できない。

だから若い世代のみんなも、年に一度は遺言を書こう。そこで初めて気づく自分っていうのがあるから。

(取材・文/頓所直人 興山英雄、撮影/五十嵐和博)

●山路 徹(やまじ・とおる)



1961年生まれ。APF通信社代表。2年前の大桃美代子と麻木久仁子との二股騒動で世間をにぎわせた。世界各地の戦地取材を続けるジャーナリスト



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