阪神・金本知憲が「アニキ」と呼ばれる理由

週プレNEWS / 2012年10月1日 15時0分

鍛え抜かれた肉体に勝負師の眼差し、そして優しい笑顔。思わず誰もが「アニキ」と呼びたくなってしまう金本の人柄を表すエピソード

現役引退まで、あと3試合を残すのみとなった阪神・金本知憲。30日、11年間在籍した古巣・広島との今季最終戦では、超満員となったマツダスタジアムのファンから惜しみない拍手が送られた。

チームメイトだけでなく、他球団の選手、さらには他球団のファンからも「アニキ」と呼ばれ、愛された金本。彼がそう呼ばれ尊敬される理由を、スポーツ紙のデスクが明かす。

「金本が阪神入りした03年は2番・赤星、3番・金本という打順だったのですが、入団1年目で絶対に結果を残さないといけないプレッシャーがあるなかでも、金本は赤星の盗塁をサポートし続けた。『最初の何球かはおまえにやるから』と、初球に甘い球が来てもバットを出さなかったんです。

その結果、赤星は3年連続の盗塁王に輝くことができた。ホームランやヒットを打たなくても、状況に応じて進塁打や投手の嫌なことをやる献身的なプレースタイルは、ほどなくチームに浸透していきました」

仲間を信頼し、それでいて「自分のケツは自分で拭く」というするプレースタイルは、同じチームだけでなく、対戦チームの誰もが気づいていたはずだ。

またプレーだけでなく、私生活でも細やかな気遣いを見せていた。若手選手を積極的に食事に連れていくのはもちろんのこと、その対象はチームの裏方や、果ては記者にまで及んだという。

「金本は阪神に来た当初から『活躍できたのは裏方さんのおかげ』と、試合の副賞でもらった賞金や賞品をスタッフにプレゼントしていた。現在では選手全員がそれに倣(なら)い、チームの習わしのようになっています。

また、ある記事がきっかけで普段は取材に応じなくなった某紙の記者がいたのですが、その記者が異動することになった際、深夜にサプライズでプチ送迎会を開いたこともありました。口もきいてもらえなかったのに、まさか……と、記者は感激しきりでした」(関西のテレビ局関係者)

選手、裏方、関係者だけではない。ファンも金本を「アニキ」と呼び、他の選手とは一線を画する存在として見ていた。ファン歴30年の男性が語る。

「“金本以前”の阪神は、いくら活躍した選手だろうが、ファンにとってはイジって楽しむ対象でした。吉本の芸人と一緒です。ところが加入当時の金本はチームバッティングはするし、誰よりも練習するし、いいところで打つし、文句のつけようがなかった。しかも優勝させてくれた大恩人。さすがの阪神ファンも、肩を故障するまでは“アンタッチャブル”でした。こんなことは初めてでしたね」

引退試合は9日の甲子園、DeNA戦。最後にアニキはどんな姿を見せてくれるだろうか。

(写真/益田佑一)



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