「軽王者」の奪還が見えた? 新型スズキ・ワゴンRはマジでスゴい!

週プレNEWS / 2012年10月21日 6時0分

4年ぶりのフルモデルチェンジをしたワゴンR。見かけはあまり変わっていないけど、中身は完全進化。軽ナンバーワン復帰が見えた?

軽自動車の代表格ともいえるスズキ・ワゴンRが、先月、2008年以来のフルモデルチェンジを実施した。

長らく軽自動車の売り上げナンバー1を、ダイハツ・ムーブと争ってきたワゴンR。しかし、今年の春にはホンダ・N BOXにその座を奪われてしまった。過去、5年ごとの世代交代をしていたワゴンRだが、ライバル車の動向を見透かしたように、今回は4年での刷新となった。

その新型ワゴンR、見た目にはライトの形がちょっと違うくらいで旧モデルにそっくり。内装も含めて新しいのに、なぜか? それは、モデル末期でも手堅く3位グループを守る人気車種だからだ。8月は在庫一掃セールで2位に浮上し、9月の販売速報では、なんと首位を奪取。ワゴンRの認知度と安定感はなんら揺らいでいないので、「見慣れたワゴンRであること」が何よりも大切なのだ。

ただ、中身はまったく“別物”に進化している。基礎となるプラットフォームはMRワゴンに続く最新版で、2165mmの室内長はN BOXに迫る。身長180cmの男性が縦に寝られるほどの広さだ。

そして注目すべきは、助手席下に置かれているリチウムイオンバッテリー。最近のエコ技術は「エンジンパワーを食う発電をいかに減らすか」の競争になっており、新型ワゴンRも普通に走るときはほとんど充電せず、代わりに減速するときの「空走」で積極的に発電する。ただ、昔ながらの鉛バッテリーはそういう複雑で激しい充放電は苦手なので、最新リチウムイオンバッテリーで電気をムダなく回収するのがワゴンRのやり方だ。

さらに「アイドルストップ」も最新。車速が13㎞/h以下に落ちるとエンジン停止するが、これはミライースやアルトエコを抜いて「世界でいちばん先走るアイドルストップ」といっていい。しかも、そういうエコなハイテクを「○○グレードのみ」といわずに、最上級スティングレーのターボまで全車標準装備。自然吸気で28・8km/L、ターボで26・km/L(ともにJC08モード)はミライースとアルトエコを除いて「背高軽でトップ燃費」に君臨することとなった。

加えて、新型ワゴンRのもうひとつの魅力は走りだ。低燃費の実現には、前記のバッテリーやアイドルストップに加えて、「先代より最大で70kg軽量化」という軽さも効いている。N BOX比だと、なんと150kg近くも軽い。さすがにここまで軽いと、誰もがはっきりわかるほど、活発かつ俊敏に走る。

なかでもスティングレーT。タイヤもサスも専用チューンになっており、「俊敏なのにしっとり、軽快なのに重厚」な乗り味は“傑作”といっていい。さすがはスイフトで世界をうならせたスズキ。ハンドリングの仕上げだけでいえば、スズキはもはやホンダよりエンスーで腕前がいいと思えるほど。

まとめると、新型ワゴンRは一気に燃費トップに躍り出た上に、お約束の美点はすべて受け継いで、しかも走りはバツグン。こうなれば「ワゴンRはいいけど、今はやっぱ燃費だし……」と迷っていた浮動票を、根こそぎブン獲る可能性あり。来月以降の軽販売ランキングでは、早くもN BOXから首位を奪還するかも?

(取材・文/佐野弘宗、撮影/岡倉禎志)



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