セルジオ越後の一蹴両断! 第279回「日本代表はいつまでも“弱者のサッカー”をやっていてはダメだ!」

週プレNEWS / 2012年10月25日 15時0分

久しぶりに世界の強豪との対戦となった日本代表の欧州遠征。収穫も課題もたくさん見えたけど、まず今週は初戦のフランス戦を振り返りたい。

最初に感じたのは、アウェー戦ならではの緊張感。親善試合とはいえ、フランスは地元の大観衆の前で恥ずかしい試合はできない。しかも、相手は格下の日本。だから、選手の本気度は明らかに高かった。

日本代表には来年2月にオランダ遠征を行なうプランもあると聞いたけど、ぜひ実現してほしいね。ザッケローニ監督の母国イタリアとの対戦も面白い。今後も強豪とのアウェー戦をどんどん組んで、強化をしていくべき。日本サッカー協会はその努力を怠ってはいけない。

試合は日本が押し込まれながらも、終盤に鮮やかなカウンターからゴールを奪って、1-0で勝利。今のフランスには、ジダンやアンリがいて、日本が0-5で負けた11年前のようなスペシャルな強さはないものの、素晴らしい結果であることは間違いない。

特に評価したいのは川島と長友。何度もビッグセーブを見せた川島はもちろん、長友は後半に入って、相手DFとの1対1の場面で何度も勝負を仕掛け、ほとんど勝っていた。さすが、インテルでプレーしている選手だ。

ただ、試合全体でいえば、日本のパフォーマンスは物足りなく、むしろフランスに力の差を見せつけられた。特に前半はボールをまったくキープできずに攻められ続け、一歩間違えれば11年前と同じ展開になってもおかしくなかった。慌てた日本は守りを固めてカウンターを狙うという守備的な戦い方に終始。結局、強豪フランス相手にどれだけ真っ向勝負を挑めるか、自分たちのサッカーのどこが通用して、どこが通用しないかを見極めることはできなかったね。

思い返せば、日本は一昨年の南アフリカW杯でも中盤を厚くし、MFの本田をトップに置いた守備的な布陣でベスト16進出。今夏のロンドン五輪でもスピードのある永井を前線に残し、カウンター狙いでベスト4進出と、大舞台では同じような“弱者のサッカー”を続けている。相手のレベルが上がると守備的にならざるを得ない、まだまだ対等には戦えないという現実があるからだ。

確かに、守備的なサッカーでそれなりの結果は出ているけど、もうワンランク上のチームを目指すなら、強い相手にどう攻めるのか、どう互角に渡り合うのかという課題と向き合わなければいけない。詳しくは来週のコラムで触れるつもりだけど、続くブラジル戦ではそういうチャレンジができて、収穫が多かっただけに、フランス戦はもったいないことをしたと感じたよ。

また、日本のメディアが、親善試合なのに結果にしか目を向けず、「海外組が増えて、レベルが上がった」と相変わらず手放しで褒めていたのも本当に残念だったね。

もっとも、選手たちはこの勝利に浮かれる様子もなく、みんな反省の言葉を口にしていた。長友は「前半は何もできなかった。このままではW杯で優勝できない」と力の差を認めていたし、長谷部も「10回やって1回か、せいぜい2回勝てるかというレベル」と冷静に分析していた。これは好材料。選手のメンタリティは11年前から確実に進化している。それがフランス戦の最大の収穫だね。

(構成/渡辺達也)



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