セルジオ越後の一蹴両断! 第280回「大敗はしたけど、たくさん収穫のあった試合だったね」

週プレNEWS / 2012年11月1日 15時0分

前回に引き続き、日本代表の欧州遠征を振り返りたい。今週は0-4で負けた2戦目のブラジル戦だ。

1戦目のフランス戦に勝ったことで、「ひょっとして、ブラジルにも……」と期待していた人も多かったかもしれない。テレビや新聞などメディアもそう煽っていたよね。でも、ブラジルは甘くなかった。あと3点ぐらい取られてもおかしくなかったし、それほど力の差は大きかった。

試合の立ち上がり、ブラジルがフランスほど前からプレスをかけてこなかったこともあり、日本はボールをキープし、押していたように見えた。ただ、それはブラジルにボールを持たされていたという言い方が正しい。ブラジルはゆったりと試合に入り、日本の動きをよく見て、そして、個の力であっさりと先制した。

リードして余裕を持ったブラジルほど手ごわい相手はいない。日本はその後、カウンターを食らい続けて3失点。これぞブラジルという戦い方にはまってしまったね。選手たちからすれば、相手に遊ばれているような感覚があったんじゃないかな。僕も厳しい試合になると予想していたけど、ここまでやられるとは思わなかった。

個々で見ても、本田が頑張っていたものの、合格点を与えられる選手はゼロ。例えば、右SB(サイドバック)は内田も後半から出た酒井宏も簡単に抜かれていたし、真ん中もダブルボランチの遠藤、長谷部がブラジルの攻撃についていけず、フリーの状態で何本もシュートを許した。攻撃面でもアタッカー陣がドリブルでまったく仕掛けられなかった。

ただ、そうした厳しい試合のなかでも、評価できる部分はある。受け身の姿勢で、ほとんどの時間帯で守備に回っていたフランス戦と違って、選手たちから攻撃的に打って出ようという姿勢が見えてきたことだ。キックオフからどんどん前に出て、自分たちから仕掛けていたよね。結局はブラジルに軽くいなされ、なすすべなく失点を重ねてしまったわけだけど、逆に言えば、日本が真っ向勝負を挑まなければ、こうした経験は味わえなかった。

フランス戦同様にひたすら守備を固める“弱者のサッカー”をしていれば、スコア上はもっと接戦に持ち込めたかもしれない。でも、前回も言ったように、この欧州遠征は課題を見つけるための親善試合であって、勝ち点3を取るための戦いが求められていたわけではないんだ。そうした観点から考えると、大敗したのは残念だけど、世界のトップとの差を選手たちが肌で感じられたことに大きな意義がある。

確かに、昔に比べれば、欧州でプレーする選手は増えた。香川や長友などビッグクラブでプレーする選手も出てきた。でも、彼らにしても、まだひとりで勝負を決められる選手ではない。南アフリカW杯のベスト16以上の成績を目指すなら、強豪相手にも一対一で勝負できるようにならなければいけないし、チームとしても、もっと今回のような遠征を組まなければいけないことがはっきりした。

最後にザッケローニ監督について。結局、2試合とも悪い流れを変える采配は見られなかった。以前から感じていたことだけど、彼は状況に応じた手が打てない。この監督で本当にブラジルW杯で上を目指せるのか、今後はそうした議論もする必要があるね。

(構成/渡辺達也)



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