電気自動車の技術革新で“クルマ”は“家電”になる?

週プレNEWS / 2012年11月5日 15時0分

2030年、家電量販店にクルマ売り場が出現し、EVは値下げ競争にさらされる?

マツダの人気コンパクトカー「デミオ」のラインナップにも導入(市販は未定)されるなど、活況を呈する電気自動車市場。

「2030年、格安の電気自動車(EV)が実現しているかもしれません」

そう予測するのはJMR生活総合研究所の松田久一氏だ。

「現在はガソリン車とハイブリッド車が主流で、トヨタ、ホンダといった国内メーカーが世界シェアの7割を握っている状態です。しかし、そこで後れを取ったアメリカ、中国、韓国などの海外メーカーは市場を先取りすべく、ハイブリッド車の開発を飛び越え、EVに照準を合わせて積極投資を行なっています。その勢いを見るかぎり、18年後にはEVが自動車市場の主役に躍り出ている可能性が高い」

しかも、そのときには価格100万円を切る低価格EVが実現しているのだという。

「EVの技術革新は、車体の簡素化、部品点数の減少という形で進んでいます。ガソリン車、ハイブリッド車は1万点を超える部品の集積体ですが、日産の量産型EV『リーフ』になると1万点を切り、海外勢が生産するEVの中には5000点クラスのモノも開発されているのが現状。この先、車体の簡素化は恐らく家電製品と同水準の1000点ほどまで進むでしょう。名実ともに“車が家電になる”わけです。そうなると、ヤマダ電機やビックカメラ本店にクルマ売り場が出現し、薄型テレビやパソコン同様、値下げ競争にさらされ、底なしに価格は落ちていく。『地域最安値! 30万円EV登場!』なんてことが現実になっているかもしれません」(松田氏)

ではそのとき、トヨタ、ホンダ、日産といった国内メーカーはどうなっているというのか。

「部品数1万点超のガソリン車とハイブリッド車だからこそ、日本の技術力は発揮されていた。これが、薄型テレビやパソコン並みに部品の少ない簡素なEVとなれば、ちょっと勉強すれば、PCのように誰でも組み立てができるようになるわけですね。

すると日本の技術力はまったく優位性を保てなくなる一方で、EVにも代理製造といったビジネスモデルが持ち込まれ、iPhone製造で急成長した鴻海(ホンハイ)精密工業のようなEMS企業が市場を跋扈(ばっこ)するようになる。その後は現在のシャープと同じ。国内の自動車工場が次々と閉鎖に追い込まれ、自社単独では生き残れなくなります」(松田氏)

日本の基幹産業の存続が危ぶまれる……。

(取材・文/頓所直人 興山英雄 イラスト/服部元信)



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