来るべき『アジアの時代』、日本はすでに後進国になっている?

週プレNEWS / 2012年11月15日 6時0分

2030年の数値は日本にとって最も悲観的なシナリオによるもの。表の単位PPPとは、購買力平価のこと。各国間で基準となる同じ商品の価格が同一になるような為替レートを算出している(出典:21世紀政策研究所)

内閣府が12日に発表した12年7~9月期の実質GDPは前期比マイナス0.9%、年率換算でマイナス3.5%と、景気の後退が浮き彫りになった。原因は個人消費の落ち込みや海外景気の減速といわれるが、このまま将来も日本は経済大国のままでいられるのだろうか。

経団連傘下のシンクタンクである21世紀政策研究所が今年4月に発表した「グローバルJAPAN-2050年シミュレーションと総合戦略-」を参考に18年後、2030年の世界を見てみよう。表の数値は、財政が悪化し日本の経済成長率がマイナスになった最も悲観的なシナリオによるものだ。

これを見ると、1人当たりのGDPで日本は20位から21位に順位をひとつ下げ、韓国には完全に抜き去られている。両者の差は約5400ドル(約43万円、1ドル=80円換算)。この差は年を追うごとに開き、2050年の1人当たりGDPは韓国4万4884ドル、日本が3万612ドルとなっている。このとき、日本の1人当たりGDPの順位は28位。もはや先進国ではない。

1人当たりGDP順位で低迷しているのは中国も同じで、2010年で39位、2030年では36位。

「国別GDP順位では、2030年には中国はアメリカを抜いて世界一になると予想されます。インドも、2010年には日本に次いで4位だったのが、2030年には日本を抜いて3位と予想しています。中国もインドも人口が多く、1人当たりGDPは低くても国全体では経済大国となり得る」(21世紀政策研究所主任研究員・岩崎一雄氏)

それでも、1人当たりでは日本のほうが中国よりまだ金持ち。

「とはいえ、2011年から2020年のGDP年平均成長率を見ると日本は最も悲観的なシナリオではマイナス0.28%と低いのに対し、中国は順調に推移すれば6.02%と非常に高い伸び率です。続く、2030年までの10年間でも、日本はマイナス0.43%、中国は3.2%。差は縮まります」(岩崎氏)

む~、6%台の伸びは驚くべき数字だ。いずれ1人当たりでも日本は抜かれるのだろうか。

「実は新興国には、先進国型の経済に移行できない『中進国の罠』に陥るかもしれないという指摘があります。1人当たりGDPが5000ドルから1万ドル程度までは順調に成長しても、その先の2万、3万ドルに到達するには、自ら新技術を生み出せるような経済にならないと、先進国にキャッチアップできずに所得水準もそれ以上、上がらない可能性があるのです」(岩崎氏)

その点、韓国は罠にかからず先進国の仲間入りを果たしている。中国、インド、そのほか、タイやインドネシアなどの新興国は、教育や研究開発に力を入れないと罠にはまるかもしれない。

「とはいえ、2030年に向けて、アジア太平洋地域が経済の中心になっていくことは間違いなく、まさに21世紀の『アジア太平洋の時代』が始まります」(岩崎氏)

アジアの時代といっても、日本が蚊帳の外だったら寂しい……。

(取材・文/頓所直人 興山英雄 )



【関連ニュース】

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング