中国が南シナ海でも暴挙!“フィリピン版尖閣問題”余波でバナナが安くなった?

週プレNEWS / 2012年11月17日 10時0分

南シナ海のほぼ全域の 領有権を主張している 中国。近年、軍事力を 背景にした強硬手段で 周辺国への圧力を強め ているのだ

中国の図々しい領有権主張に端を発する国際トラブルは、尖閣諸島に限った話ではない。

フィリピン、ベトナム、マレーシアなどに囲まれる南シナ海についても、なんと現在、ほぼ全域の領有権を主張しているのだ。海底に眠る石油や天然ガスなど資源を独占するためである。だが、もちろん、そんな横暴を周辺諸国が黙って見ているはずがない。

フィリピン・ルソン島の西にスカボロー礁という岩礁がある。地図で確認すれば一目瞭然だが、首都マニラの近海にある場所。だが、中国はここも自国のものだと強弁して、今年4月、両国の艦艇が周辺海域でにらみ合うという事態に発展したのである。

これを受けて中国は露骨ないやがらせに出た。5月、「有害生物が相次いで検出された」との言いがかりをつけ、フィリピン産のバナナに対して事実上の輸入制限措置を発動したのだ。バナナはフィリピンの主要輸出品であり、中国は日本に次ぐ世界第2位の輸出先。中国の港で足止めされたバナナが腐るなどして、フィリピンは少なからぬ経済的損失を被った。

理不尽としか言いようのない中国のバナナ輸入制限は今も継続中なのだが、これに関連して先日、日本の大手紙にある記事が掲載された。

「中国への輸出分だったバナナが行き先を失ってどっと日本に流れ込んだため、供給過剰が発生。結果、現在わが国でのフィリピンバナナの店頭価格が下がり、過去10年で最も安いレベルになっている」というのだ。

それが本当なら、フィリピンには申し訳ないけど、日本のバナナファンにとっては朗報。ということで、東京都内の大手スーパーに足を運んで売り場店員に話を聞いてみた。まず大手スーパーAの大井町店はどうか?

「例年比で大幅に値が下がっているということはないですね」

大手スーパーBの練馬店では?

「ここ数年で最安値? 聞いたことがない」

あれ? では、実際のところフィリピンバナナはどんな状況にあるのか? 世界中で青果の生産・輸出入などを手がけるドール・日本法人のマーケティング部、大滝尋美(ひろみ)氏に聞いてみた。

「今年のフィリピンバナナの輸入量は微増程度といったところでしょうか。そして小売価格は例年並みなんです」

1~8月期の日本全体での輸入総量は、前年比3.3%増でしかないのだという。

「中国向けだった分のフィリピンバナナをすべて一極集中させると、その輸出先で値崩れが起こってしまいます。そこでフィリピンの生産者は日本だけでなく東南アジア、中東、オセアニアなどにも分散出荷し、世界規模のリスクヘッジを行なっているのです」(大滝氏)

また、低価格帯の一部フィリピンバナナについては、確かについ最近まで若干の安値傾向にあったが、それは気候要因によるもの。

「今年の日本は夏から秋にかけて記録的な猛暑が続き、バナナの需要がなかなか高まらなかったんです。そのままでは仕入れた商品が傷んでしまうため、小売店が特売やセール品の対象にして売りさばいたことで市場価格が下がったわけです」(大滝氏)

一方で、ここ数年来、日本では1パック300円前後の高級なフィリピンバナナがよく売れているため、低価格帯の値下がり分を穴埋めしている。

結局、中国の輸入制限の影響で日本のバナナ価格が下がったという事実はなかったのだ。

また、中国の陰険な措置は一時的にこそ打撃を与えたものの、フィリピンにとってさほどの致命傷にはならなかったのである。それどころか、逆に中国国内では輸入量減によりバナナ価格が急騰したという。まさに自業自得!



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