auがiPad miniのWi-Fi版の販売を見送った理由

週プレNEWS / 2012年11月21日 15時0分

10月から発売されている新型「iPad」と11月2日に発売された「iPad mini」のWi-Fi版に続いて11月下旬、Wi-Fi+Cellular版(3G版)がリリースされる。

しかし、一部新聞報道によれば、3G版のリリースを機に新しくiPadとiPad miniの取り扱いを始めるKDDI(au)は、両機種ともWi-Fi版を販売しないという。旧機種である第3世代iPadは3G版よりもWi-Fi版のほうが売れていた。それなのに、なぜauは売れ筋商品をわざわざラインアップから外すのか? いや、そもそもWi-Fi版を扱わないという報道自体、信じていいのか? ジャーナリストの石川温(つつむ)氏はこう語る。

「auが3G版のみを扱うのは間違いありません。なぜなら、データ通信の必要がないWi-Fi版は月々の通信料収入が見込めず、契約数増にもつながらない。また、端末自体の販売利幅も薄く、いくら売っても儲からない。キャリアにとってはWi-Fi版を扱うメリットがないのです」

実は、iPadをはじめとするタブレットPCは、これまで日本ではさほど爆発的に広まってはいなかった。しかし、高品質で安価な7インチ程度の小型端末が続々登場し、同じようにタッチパネルで操作するスマホが普及したこともあって、わが国のタブレット市場はにわかに活気づいてきている。auはそこに大きなビジネスチャンスを見いだし、商品力と収益力のある新型iPadの3G版を積極的に売っていく決断を下したというわけだ。携帯電話ライターの佐野正弘氏が語る。

「特にiPad miniは外へ持ち出して使う機会が多いでしょうから、どこでもつながる3G版のニーズは高いと思いますよ」

しかも、週プレは便宜上“3G”と表記してきたが、Wi-Fi+Cellular版は次世代高速通信規格のLTEでデータのやりとりを行なう仕組みになっている。

「3G版iPadを通じて多くの人々がLTEの存在を認知すれば、現在、大混雑状態にある3G回線から余裕のあるLTE回線へのユーザー移行をスマホにまで波及させられるわけです」(佐野氏)

なるほど。auはそこまで考えてWi-Fi版の取り扱いを見送ったのか。とすると、気になるのが、もともと日本で独占的にiPadを扱ってきたキャリアであるソフトバンクモバイル(SBM)の出方。彼らは第3世代iPadまでWi-Fi版と3G版の両方を販売してきた。

11月15日時点で、SBMのiPad販売方針については何も伝わってきていない。しかし、どうやらau同様に3G版のみの販売となりそうな気配だという。

「これまでSBMがWi-Fi版も並行して扱ってきたのは、まだまだタブレットの市場が小さかったから。しかし、3G版のみに注力したいのは、今やSBMも同じです」(石川氏)

「その証拠に、以前、SBMがiPhoneと第3世代iPadの両方を購入すればiPadの端末価格を無料にするキャンペーンをしていたとき、サービス提供の対象となっていたのは3G版だけでした」(佐野氏)

さて、両キャリアの販売方針が同じだった場合、3G版の購入を検討しているユーザーが気にせざるを得ないのが通信料金の問題である。というのも、LTEデータ通信のプランが適用されるため、毎月7000円前後の出費を強いられてしまうのだ。このご時世、ちとキツすぎはしないか……。

「キャリアの側もそれはわかっています。だから、例えばiPhoneと3G版の新型iPadの両方を持っているユーザーには、LTEデータ通信料金を2年間大幅割引するなどのキャンペーンを打ってくるはずですよ」(佐野氏)

やっぱ、そうでなくちゃ。両キャリアさん、目いっぱいベンキョーしてください!



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