総選挙に12もの政党が乱立するふたつの理由

週プレNEWS / 2012年11月26日 9時0分

現在、衆院選に名乗りを上げている政党は、政党要件を満たすものだけでも12。今年だけで「国民の生活が第一」「日本維新の会」「みどりの風」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(略称:脱原発)と4つもの新党が生まれた。

政策の呼び方も「マニフェスト」(民主党)、「アジェンダ」(みんなの党)、「八策」(日本維新の会)、「政権公約」(自民党)とさまざま。「一丁目一番地」と呼ばれるそれぞれのメインの政策テーマも、地域主権、消費増税、原発、TPP、金融緩和と、多岐にわたりすぎている。

どうしてこれほど政党が乱立する事態になってしまったのか? テレビ朝日コメンテーターの川村晃司氏が、こう説明する。

「背景にあるのは得票トップしか当選しないという小選挙区制度。この制度のため、候補者はどの党に入り、どの小選挙区から出馬すればトップ当選できるのか、政策そっちのけで考えるようになってしまった。しかし、そこは政治家。どうしても譲れない政策でぶつかるようになると脱党へと突き進み、新党を次々と結成することとなったのです」

その典型が党の綱領も作れないほど、雑多な政治家が集まって生まれた民主党だ。共通の旗印は「打倒自民、政権交代」だけで、政治スタンスも政策もバラバラだった。

「野田首相は純化路線にひた走り、消費増税やTPP参加に反対する小沢グループなどを次々と党外へと追い出してしまいました。その矛先は民主党の創始者である鳩山元首相にまで向けられました。TPPに反対するなら公認しないと迫り、結局、鳩山さんは出馬をあきらめ、政界から引退するほかなくなった。民主党は最多時、308人もの衆院議員を抱えていました。その大所帯の民主党が大量の脱党者を出してしまったのですから、新党が乱立することになるのは当然なのです」(川村氏)

小選挙区下、政治家の劣化を指摘する人もいる。政治評論家の有馬晴海氏が言う。

「小選挙区制とは人物ではなく、政党を選ぶ選挙システム。そのため、候補者の資質はそれほど問われなくなり、政治家として能力に欠ける人が大量に国会議員になってしまった。現在の政治の混乱、新党の乱立はそんな貧弱な政治家がなんとか生き残ろうと、救命ボート探しに右往左往していることの反映という側面もあるんです」

政治家たちの救命ボート探しには付き合っていられないが、選挙を人任せにしていたら後でしっぺ返しを食らうのは「逃げ切れない世代」、つまり若者。ここは面倒でも、次の総選挙とマジメに向き合うしかない。

■週刊プレイボーイ50号「“逃げ切れない世代”が生き残るための政党×政策マップ」より



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