ホンダの新軽自動車N‐ONEのポイントは「絶妙さ」

週プレNEWS / 2012年12月12日 17時30分

広さと使い勝手のバランスが絶妙にちょうどいい、ホンダのN‐ONE。軽業界にさらなる旋風を巻き起こすか?

「N BOX」で軽自動車販売台数ナンバーワン(2012年10月期)を獲得したホンダが、早くもNシリーズ第3弾となる「N‐ONE(エヌワン)」を投入した。その特徴とは何か?

エヌワンは超背高スライドドアでタント風だった第1弾&第2弾(=N BOX系)に対し、ミドルハイト(全高1.6m強)に4枚スイングドア……と、スペック的にはスズキのワゴンRとライバルになる。

もっとも、エヌワンは写真では、全高1.5mの普通のハッチバックに見えるかもしれない。だが、実はこのカタチこそ、エヌワン最大のキモ。ミドルハイトといっても、正確な全高はワゴンRより3cm低い。また、後席も非常に広大な昨今の軽自動車と比較すると、その広さはホドホドだ(といってもフィットより広い)。

軽は全長も全幅もガチガチに決まっている。それに後席に独自の「座面チップアップ」を仕込むホンダ軽の場合は後席にスライド機構がつかないから、「どのくらい背を高くするか、後席をどの位置にするか?」がエヌワンというクルマのキャラと存在意義を決定づける重要な要素になる。

開発担当氏によると、この全高と後席位置は案の定、モメにモメた。ちょっとでも低くすれば「ワゴンRより低い」と販売方面から言われ、後席をいじると「ムーヴはもっと広い」とツッコまれた。しかし、そうした外野の意見をものともせず、エヌワンが最終的にこうなった最優先理由はデザインだった。「現代版N360」のキュートなデザインを崩さないギリギリの防衛線が、まさに1610mmという全高(と、このヒップ角度)であり、最後は開発陣が強引に押し切ったらしい。

経緯はどうあれ、そうやって全高と後席位置が決まったエヌワンは、広さと使い勝手のバランスが絶妙にちょうどいい。後席は横柄にふんぞり返ることはできないが、前後左右すべてにほどよい余裕があって、実際の不満は皆無だ。

また、インテリアの質感もNシリーズで最高。ダッシュボードのシボ表現もうまく、木目調パネルまで用意。特別に高価な素材は使っていないが、巧妙なパーツ分割で安っぽい雰囲気はまったくない。そしてリアゲートを開けると、面倒くさいアレンジをしなくても「お、使えそう」と直感するトランクがそこにある。

エヌワンに飛び道具はないが、このすべてがちょうどいい感じは、とても新鮮なのだ。

(取材・文/佐野弘宗、撮影/岡倉禎志)

■週刊プレイボーイ52号「『フィット』買うなら軽の『N‐ONE』で十分!はマジか?」より



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