日本ハムに入団する大谷翔平が挑む「二刀流」のホントの可能性

週プレNEWS / 2012年12月23日 12時0分

高卒即メジャー行きの夢を“軌道修正”し、北海道日本ハム入りを決めた岩手・花巻東高校の最速160キロ右腕、大谷(おおたに)翔平。その決定打のひとつは、なんと投手と野手の「二刀流」! 打っても高校通算56本塁打で、常日頃から「パイオニアになりたい」と語っていた彼にとって、さぞ魅力的な殺し文句だったのだろう。

日ハム番記者はこう語る。

「球団が大谷サイドに提案したプランは『中5、6日で先発。登板のない日は野手』というもの。球団内にはリリーフでやらせるという意見もあったようですが、毎日ブルペンに入るのは難しいだろうという栗山英樹監督の意向もあり、このような形になった。話題性抜群だから、営業面では大いに“アリ”です」

ただ、技術が向上した現代のプロのレベルで二刀流とは、言うまでもなく“常識外”の発想。プロはどんな超高校級の“エースで4番”でもどちらかに専念し、そのごく一部のみが成功するという厳しい世界なのだ。球技ライターの大島和人(かずと)氏もこう言う。

「二軍や練習ではある程度やれるかもしれません。しかし、仮に投打とも一軍レベルの力があるとしても、実際に一軍で二刀流を実現させるのは厳しい。中6日で投げる場合でも、次の登板日までキッチリと調整メニューが決まっているわけですから」

それでも、栗山監督は1月の新人合同自主トレから二刀流で練習させると明言。いったいどれくらいマジな話なのか?

「まあ入団させるための誘い文句とはいえ、あそこまで派手に花火を打ち上げた以上、引っ込みはつかないですよね。電撃獲得はいいけれど正直、痛しかゆしといったところでは……」(前出・番記者)

ところで、そもそも大谷という選手は投手、野手のどちらに真の魅力があるのだろうか。

もちろん意見が分かれるところではあるが、実は球界関係者や記者の間では、野手としての評価がより高いようなのだ。前出の大島氏もこう語る。

「球は速いですが、投手として必要な要素をすべて兼ね備えている選手とはいえないと思います。一方、バッティングに関しては間違いなく非凡なセンスがある。ポテンシャルでいえば、ここ10年で最高の選手でしょう」

確かに、故障の影響で実戦経験が少なく“伸びしろ”の大きいピッチングも捨て難いとはいえ、大谷は野手としての魅力もそこかしこで披露してきた。例えば、今春のセンバツで大阪桐蔭高校のエース・藤浪晋太郎(ふじなみしんたろう/ドラフト1位で阪神に入団)の必殺スライダーをものの見事に右中間スタンドに放り込んだ、柔らかさと力強さを兼ね備えたバッティング。外野手として地方大会で見せたスーパーレーザービーム……。

実際、当の日本ハムも野手・大谷を高く評価しているらしく、前出の番記者によると、山田正雄GM(ゼネラルマネジャー)は「松井秀喜に匹敵する逸材」とまで言っているとか。つまり、大谷という選手は“160キロを投げるゴジラ”なのだ!

二刀流が厳しいのはわかるが、やっぱり夢は膨らむ。こうなったら史上初の日本人二刀流メジャーリーガーを目指すべし?

「絶対にあり得ない! レッドソックス在籍時に投手兼主軸打者として活躍した伝説のホームラン王、ベーブ・ルースの時代ならいざ知らず、現代では無理です。今のメジャーでは、延長戦などで投手が足りなくなったときでさえ、控えの野手しか登板させない。高い給料を払っている主力にケガのリスクを負わせないためです。もし大谷選手がメジャーの一流選手になるという夢を志しているなら、二刀流プランは早々に破棄するべきでしょう」(メジャーリーグ評論家の福島良一[よしかず]氏)

うーん……。とりあえずガンバレ、大谷!

(取材・文/コバタカヒト)

 



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