報道陣締め出し、代表者質問拒否……落選大物議員の舞台裏

週プレNEWS / 2012年12月19日 6時0分

深夜になっての滑り込み比例復活当選が決まり、さすがに笑顔にはなれない菅直人前総理。会場には素直にはしゃげない微妙な空気が流れていた

自民党が過半数を大きく超える294議席を獲得した、今回の衆院選。歩調を合わせる公明党の31議席を加えると、衆議院で法案の再可決ができる全体の3分の2(320議席)をも上回った。一方、民主党は公示前の約4分の1まで落ち込む57議席と惨敗。敗北した候補者の中には、現役閣僚も含まれた。

東京18区で菅直人前総理の小選挙区落選が報じられると、支援者・報道陣合わせて100名以上が集まってぎゅうぎゅうの選挙事務所では、どよめきが起こった。日付変わって午前零時過ぎのことだ。このとき、菅陣営では早くも比例復活に向けた惜敗率の計算が始まっていた。

比例復活が確定したのは夜中の3時。30分後、事務所に登場した菅氏は「原発ゼロを実現したいという全国の皆さまの執念が、私を最後の数議席に押し込んでくださいました」と述べた。

事務所の隅では元ファーストレディの伸子さんが「郵政選挙のときも苦しかったけど、あのときは『小泉さんに入れる』だったのが、今回は『菅には入れない』だったから大変でね」と振り返ったが、驚いたことに小選挙区での落選が決まった後は寝ていたという。

「だって退屈で。あの人は、比例復活のための惜敗率を計算してましたよ」(伸子さん)

新潟5区では、文部科学大臣・田中眞紀子氏が落選。父・角栄氏の初当選から65年、鉄壁の集票力を誇った後援組織「越山会」が完全崩壊した瞬間だった。

「週刊誌はダメと言われております!」という受付の人のひと言で、本誌と『週刊朝日』『FRIDAY』の記者は、田中氏の選対本部に入ることすら許されなかった。しかし、『週刊新潮』と『週刊ポスト』は入室OK。そのような“報道規制”のなか、敗戦の弁を述べた後、会場から出てきた“元女王”に「お父さんが生きていたら、なんて声をかけますか?」と声を掛けると、彼女は「お疲れさまでしたー」と力なく答えた。

大阪7区では、現官房長官の藤村修氏が自民(渡嘉敷奈緒美氏)・維新(上西小百合氏)というふたりの女性候補と争った。藤村氏は選挙当日も公務に追われ、地元入りせず。代わりに彼の等身大パネルがたたずんでいたが、開票速報で3位と発表された瞬間、ガラガラの事務所にため息が小さく響いた。

選挙期間中、北朝鮮のミサイル対応に追われてまったく地元に帰れなかった藤村氏は、やっと帰れたときに「(ミサイルを)さっさと上げて」と失言。そのせいもあってか、現職の官房長官として史上初めて落選の憂き目にあった。

また、かつて話題になった“暴言王”、松本龍氏も落選した。現行の小選挙区比例代表並立制導入後、民主王国を築いてきた福岡1区にもかかわらず、開票と当時に自民党の井上貴博氏に当確が出るという“瞬殺”ぶりだった。

松本氏が事務所に到着したのは開票開始から80分後。後援会会長とともにカメラの前に立つと、「しっかりこれからも皆さまのお支えを忘れずに生きていこうと思っているところであります」と覇気のない、消え入りそうな声で語った。復興大臣時代に宮城県知事を恫喝し、その場にいたマスコミ陣に対して「これはオフレコ。書いた社は終わりだ」などと言い放っていた、あの傲慢なまでに力強い姿は、どこにもなかった。

なお、松本氏は約束していた代表者質問を拒否してその後退散。事務所滞在時間はわずか3分だった。

来年7月に行なわれる参院選では、どの大物議員が落選するのだろうか……。

(取材・文/本誌選挙取材班、撮影/五十嵐和博)

■週刊プレイボーイ53号「密着! 当落候補 テレビに映らなかった泣き笑いの舞台裏!!」より



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