2013年、日本人の食費はさらに安くなる?

週プレNEWS / 2012年12月25日 17時0分

ビール業界4位のサッポロが“、業界のタブー”を破りセブン‐イレブンのプライベートブランド「セブンプレミアム」のビールを発売。そこには厳しいメーカーの裏事情が……

いつの間にか、ワンコインランチは豪華な部類に入り、気がつけば昼食は200円台にまで下落していた……。その背後で繰り広げられてきたデフレ戦争の行方は、2013年、どうなるのか?

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給料は下がるわ、ボーナスは減らされるわでイイことなんてありゃしない。それなのに朝、昼、晩はしっかりと腹が減る……。

新政権に代わった2013年、メシの価格はどうなる? 元日本経済新聞社の編集委員で、流通ジャーナリストの井本省吾氏が答える。

「12年の5月頃から景気の悪化が消費者の懐に影響を及ぼすようになりました。給料の伸びが鈍くなり、財布のヒモを締める動きが出てきた。ちなみに今冬のボーナスは対前年比で3年ぶりのマイナスでした」

そんな節約ムードをいち早く察知したのがスーパーだった。

「6月にイオンがメーカー品1000品目を最大3割値下げしたのを皮切りに、ダイエー(9月と11月で計3300品目を値下げ)、11月に西友(値下げを2300品目に拡大)、12月にイトーヨーカ堂(12月から1000品目を値下げ)が続いた。この動きはその後、牛丼、回転ずし、生活雑貨にも広がっていきました」(井本氏)

一方、値下げとは一線を画す戦略に打って出たのがコンビニ。

「プライベートブランド(PB)の拡充です。いまや各分野の上位2、3社のメーカー品以外置かなくなっており、それ以下のメーカーはPBでしかコンビニでは生き残れなくなっている。12年11月、そこにビール業界4位のサッポロビールが参入しました」(井本氏)

サッポロが製造したのは、セブン-イレブンのPBブランド「セブンプレミアム」のビール。350ミリリットル缶で198円とほかのメーカー品より1割安い値付けで、11月27日から売り場に並んでいるのだが……。

「サッポロのこの決断に業界は騒然となりました。ビールメーカーにとってビールはプライドそのもの。これまで“自社ブランド以外は作らん!”とPBに強い抵抗感を示していたからです」

とはいえサッポロビールを200円以下で飲めるというのはうれしい限り。

13年、こうした値下げやPB拡充の動きはどうなるのだろう。

JMR生活総合研究所の松田久一代表が次のように話す。

「消費者の目には、電気代の値上げや先行き不透明な消費税増税がチラつく。財布のヒモは締まるばかりで、消費支出が先細りするのは目に見えている。スーパー、コンビニ、飲食チェーンとも値下げは避けられないでしょう」

安くなるのは助かるけど、値下げを強いられる企業は大丈夫?

「イオンもヨーカ堂も西友も業績が落ち込んでいるのが現状です。13年、デフレが長引けば長引くほど、業界はかなり厳しい状況に追い込まれます」(松田氏)

その兆候はすでに……。

「13年、マクドナルドが不採算店200店舗を大量閉鎖します。ヨーカ堂は2015年度をメドに正社員数を半減させ、パートの比率を77%から90%に引き上げる計画。『店長もパートで賄う』つもりのようです。13年以降、スーパーの整理・淘汰が加速することになります。12年に赤字転落したダイエーには『大株主の丸紅が資本を売却する』との噂がつきまとう……。こうしたことは、長期化・泥沼化した“値下げ戦争”のひとつの顛末。デフレが長引くと従業員ら多くの関係者が路頭に迷うことになってしまうのです」(井本氏)

モノが安くなっても悪循環……デフレの病は根が深い。

(取材・文/頓所直人 興山英雄 釣本知子 明知真理子)

■週刊プレイボーイ1-2号「2013年 モノの値段アップ&ダウン」より



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