成功率3/1000! “現代の山師”のビジネス術とは?

週プレNEWS / 2013年1月16日 11時0分

「今の日本に一番欠けているのがハングリーさ」と語る“現代の山師”こと中村繁夫氏

バクチ同然の事業で大儲けを狙う人を山師と呼ぶけれど、レアメタル専門商社の社長・中村繁夫氏の仕事内容は、本来の意味での「山師」。レアメタルの鉱石が出る有望な山の話を聞きつけては世界中に出没する。そうしていたら、彼が率いるアドバンスト マテリアル ジャパンは設立9年目、従業員30名足らずで800億円もの売り上げを叩き出すに至った。

そんな「現代の山師」が、国際ビジネスの戦い方を説くのが『レアメタルハンター・中村繁夫のあなたの仕事を成功に導く「山師の兵法A to Z」』だ。中村氏に聞いた。

―レアメタル専門の商社ということですが、どんなことをしているんですか。

「レアメタルはハイテク産業に必要不可欠なものですが、日本からはまったく出てこない。それを安定した品質・価格で供給するのが仕事です。

といっても、右から左に物を移すだけじゃあ意味がない。具体的にいいますと、まずロシアでレアメタルになる前の鉱石を買ったとしますね。それを中国で加工して、その加工したものをさらにインドに持っていって加工して、それを日本の企業に届ける。そんな仕事をしています」

―レアメタルといえば、3年前に起きた中国の禁輸措置のように、時の政治に大きく影響されている印象があります。

「安定供給を阻害する要因が複雑に絡み合っていますね。だから、どこを供給地として確保するかを冷静に見ていかなければいけない。

あとは、日本は今、円高で、電気コストも人件費も法人税もみんな高い。そんな状況でものづくりを続けるのは大変だから、製造業は海外に出ていくということになる。でも、海外のどこに出ていったらいいかわからない。そこで、ベトナムに工場を造って、レアメタル関連の企業に工場ごとレンタルすることを考えています」

―しかし、そのレアメタルの鉱山開発の難しさについては、「センミツ」という言葉があるほどだとか。

「鉱山に関してさまざまな情報が飛び交いますが、うまくいくのは『1000あるうち3件程度』、ということですね。ただ、僕らは探検はするけれど冒険はしない。採掘状況を調べたり、競争相手の出方をうかがったりして情報を集めて、分母の1000を100に、100を10にと情報を絞り込んでいくことになります」

―文字どおり「鉱脈」を探すわけですね。

「そのためには、自分で一次情報を探さなければいけない。会った人が信頼できるのか判断して、自分の足で情報を集めていくわけです。ただ、これは本来、どんな企業でもやっていることです。例えば、就職したいという数百人のなかから人材を見つけていくのとまったく同じことですよ」

―人事でもすごい制度があるとか。毎年ひとりは必ずリストラするという……。

「ええ、20人ほどの営業マンのうち、一番成績の悪かった人には辞めてもらうことになっています。人には向き不向きがありますからね。うちの会社に向いてないなら、しがみつくのは本人のためにならない。別の場所で自分の能力を磨くべきです。ただ、そのための再就職先は基本的に私が見つけてきますし、そこからまたうちの会社に戻ってくる人もいます」

―皆、危機感を持って働くことになりそうです。

「今の日本に一番欠けているのがハングリーさ。これがないと世界でやり合っていくことはできません。この本を読んだ人がタフなビジネスマンになってくれたらうれしいです」

(撮影/高橋定敬)

●中村繁夫(なかむら・しげお)



1947年生まれ。アドバンスト マテリアルジャパン社長。26歳で商社の「蝶理」に入社、30年間レアメタル(希少金属)部門で輸入買い付けを担当。2004年、独立

『レアメタルハンター・中村繁夫のあなたの仕事を成功に導く「山師の兵法A to Z」』



ウェッジ 900円



大学在学中に35ヵ国を放浪、ニートの末に専門商社に入り、レアメタル部門に配属される。2004年に部門ごとMBOで独立し、日本唯一のレアメタル専門商社を設立。ひたすらレアメタルに関わってきた著者が、国際ビジネスの神髄を説く









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