スマホ業界で大苦戦! ドコモは「被災地に選ばれたドコモ」をアピールすべし

週プレNEWS / 2013年1月24日 9時0分

携帯キャリア大手3社の国内総契約数が約1億2900万件にも上る現在、“巨人”NTTドコモが50%近く(約6100万件)ものシェアを握り、残りの半分をauとソフトバンクが分け合っている(2012年12月末時点、電気通信事業者協会発表)。

しかし、キャリア変更後も同じ番号が使える「番号持ち運び制度(MNP)」の昨年1年間の契約数で見ると、その立場は逆転する。auがプラス93万3000件、ソフトバンクがプラス39万3300件なのに対し、ドコモはマイナス131万3200件とぶっちぎりの“ひとり負け”の状態なのだ。

その原因について、ITジャーナリストの石川温(つつむ)氏はこう語る。

「auとソフトバンクの転入数を足せば、ドコモの転出数とほぼイコール。つまり、ドコモから2社に顧客が流出しているのが現状です。その理由は、ドコモにiPhoneがないこと。特にiPhone5が発売された昨年9月以降、auとソフトバンクへの顧客流出が深刻になっています」

その言葉どおり、iPhone5発売翌月(10月)のドコモの転出超過数は、18万9800件と過去最悪を記録。さらに翌11月には21万2100件とワースト記録を更新した上、5年3ヵ月ぶりの契約純減に落ち込んでいる。

iPhone効果は地方でも大きかったようだ。ソフトバンクの現役社員が語る。

「僕は北関東の法人営業を担当していたのですが、田舎ほどNTTの地盤は強くて。以前は『親族がNTT社員だから』とか言われて門前払いを食らうケースが大半で、何をやってもまるで巨大な岩盤を鉛筆で突いているような無力感があった。でも、今は『iPhoneを導入しようと思っていたところ』などと、“営業力なし”でも成約に至るケースが増えました。ラクですよ」

こうした事情はauでも同じだ。同社の現役社員が明かす。

「ウチの場合、新規契約者の7、8割がiPhone5目的。そのほとんどがドコモさんからの乗り換えです。もはや“iPhoneなき携帯屋”なんて“牛丼を売らない吉野家”と言っても過言ではないでしょう」

では、ライバル2社は今のドコモをどう見ているのか?

「いよいよ屋台骨が揺らぎ始めたかなという印象です。敗因は戦略ミス。例えば、ウチとauさんが昨年9月に導入したLTEを、ドコモさんはその約2年前に先行導入しているのに、それを知るユーザーは驚くほど少ない。ウチはアメリカの通信キャリアに倣って『4G』とアピールしましたけど、ドコモさんはLTEを4Gとしない国際電気通信連合の見解にのっとって『スーパー3G』と呼び続けているんです。確かに、4Gと呼ぶのは厳密には正しくない。でも、PRとしては世界的にも許容範囲ですよ。“お役所”な会社だなと」(前出・ソフトバンク社員)

「ドコモさんって通信インフラの復旧が迅速だから、大災害が起きるとシェアが必ず上がる。だから、『被災地に選ばれたドコモ』とかアピールすればさらにインパクトあるのに絶対やらない。ライバルながらもったいない」(前出・au社員)

iPhoneの導入が不透明なまま、挽回の一手が打てないドコモ。このままではシェア首位の座から陥落する日も、そう遠くはないかもしれない。

(取材・文/興山英雄)

■週刊プレイボーイ5号「ドコモ×au×ソフトバンク 2013年スマホ三国志の行方!!」より



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