セルジオ越後の一蹴両断! 第291回「マンUという大きな壁にぶち当たった香川、今が踏ん張りどころだ!」

週プレNEWS / 2013年1月31日 15時0分

ブンデスリーガ(ドイツ)のウインターブレイクが明けるなど、ヨーロッパサッカーがシーズン後半戦に突入したね。

前半戦を振り返ると、20人以上いる日本人選手のなかでは、長友(インテル)、吉田(サウサンプトン)、細貝(レバークーゼン)など守備的なポジションの選手の頑張りが目立った。

長友は相変わらず運動量が豊富で、体を張ったプレーがいい。あの小さな体でごつい相手とやり合うのは魅力だね。インテルというビッグクラブでも一定の評価を得ている。

吉田もいい経験を積んでいる。何しろ毎週のように世界の名だたるFWを相手にしているんだから。移籍当初は不安定なプレーが続いて心配になったけど、徐々に適応しているようだ。これだけイングランドで鍛えられれば、もうアジアレベルでは完全に相手を見下ろせるはず。日本代表でのプレーを見るのが今から楽しみだね。

細貝はドイツで優勝争いをする強豪で左サイドバックとして試合に出続けた。後半戦はぜひ本来のボランチでレギュラーの座を狙ってほしい。

彼らの頑張りはうれしいこと。僕も素直に評価したい。ただ、守備的なポジションの選手が活躍しても、日本のメディアの扱いは小さくて地味。日本サッカー界を盛り上げるという意味では、やっぱり香川(マンチェスター・ユナイテッド)をはじめ攻撃的なポジションの選手の活躍が欠かせない。

開幕前に僕が一番期待していた香川はまずまずのスタートを切ったけど、その後はケガに悩まされた。清武(ニュルンベルク)や乾(いぬい/フランクフルト)は序盤戦にいいアピールをできたものの、“継続性”という部分で大きな課題を残した。

本田(CSKAモスクワ)の場合はちょっと違って、それなりの活躍はしているんだけど、レベルの低いロシアリーグなので、それぐらいやって当たり前だと思われる。インパクトが弱い。本人も希望するように、早くロシアから脱出しないといけないね。

シーズン後半、僕が一番注目しているのはやっぱり香川。ケガという不運があったとはいえ、ここまでは期待にまったく応えていない。日本と違って、現地のファンやメディアはいつまでも待ってくれない。このままのプレーが続くようなら、「ドイツに帰れ」と言われてしまうよ。

本人も焦りを感じているだろう。最近の試合では、チャンスになりそうな場面で力が入りすぎている印象だ。同じ新加入のファン・ペルシ(オランダ代表)がゴールを量産しているので、チームメイトはボールを持ったらまずファン・ペルシの動きを見る。だから、香川にはドルトムント時代のようないいパスが出てこない。難しい状況にあるのは間違いない。

ただ、ポジティブな材料もある。絶対的な存在であるファーガソン監督が、コンスタントに出番を与えてくれていることだ。自信を持っていいことだし、早くその期待にゴールという目に見える結果で応えなければいけないね。

プレッシャーは大きいと思う。でも、それがビッグクラブならではの醍醐味(だいごみ)。香川は今まで日本人選手が越えたことがない壁を前にしているんだ。あのヒデ(中田英寿)もローマではレギュラーの座を奪えなかった。壁は高く険しいけど、それを乗り越えれば、世界的なスターになれる。踏ん張りどころだし、ぜひ頑張ってほしいね。

(構成/渡辺達也)

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