大手商社とハーバードで培われた“最強の宴会術”とは?

週プレNEWS / 2013年2月19日 12時0分

「宴会っていうのは、仕事でプロジェクトを進めるのと一緒なんです」と語る児玉教仁氏

世界的エリート養成機関として知られる、ハーバード・ビジネス・スクール。実はここ、「パーティスクール」と呼ばれるくらいイベントやパーティが多い学校なのだとか。『ハーバード流宴会術』の著者・児玉教仁氏は、大手総合商社で宴会のいろはを叩き込まれた後、ハーバード・ビジネス・スクールに留学し、そこでさらに宴会スキルを磨いた。商社と大学院の宴会術を、経営学の専門知識を駆使して体系化、なんてアホなことをやったのがこの本だ。児玉氏に聞いた。

―商社には新卒で入られたんですか?

「そうです。僕はアメリカの大学に行ってたので、日本流の飲みがわからなくて最初は苦労しました」

―商社の宴会や接待ってどんな感じなんですか?

「まず、始まる前にお客さんのことを把握するところから始まります。奥さまやお子さんの名前、年齢、好きなものは当然。ペットの名前まで、宴会の参加者にはペーパーが回ってきて回覧されます。席順も、相手の性格から利き腕まで考えて決めます。大事な接待は、席順も上司のハンコが必要なんですよ」

―本では、店の下見の必要性を強調してますね。

「ビジネスでも、現場がわかってないと大仕事はできないでしょ。店のトイレへの動線、隣席との間に柱はないか、半個室というけど、本当にそうなのか。こういうことを事前に把握して、ほかに店の料理やサービスというようなロジスティクス面に十分備えておけば、当日のオペレーションは司会とか出し物みたいなソフト面に集中できます」

―たかが飲み会、なんでそこまでするんですか?

「宴会って、別にゴマをすったりちょっと情報をもらったり、自分の成績を上げるためにするんじゃないんです。大事なのは、お客さんと一緒に夢を見る間柄になれるかどうか。相手のキモをつかんで、一緒にこれをやろう!って言える関係になるためにやるんです」

―本文では「心のパンツを脱いで話し合える」関係とあります。

「グローバルな環境では、文化が違う人と信頼関係を結ばないといけない。ハーバード・ビジネス・スクールは世界で活躍するリーダーを養成する場所でしたから、その信頼関係を結ぶためのパーティを重視するのは当然のことです。そうして向こうでハイレベルな宴会をやってるうちに、自分の宴会レベルが進化していくのを感じたんですよね。おまけに大学院でビジネス論をたくさん学んだんで、今まで暗黙知としてあった宴会術が、僕の中でどんどん体系化されていったんですよ」

―「ツボサザエを何個ずつ焼くか」というテーマを「ボトルネック」という言葉を使いながら説明する本には初めて出会いました。

「宴会っていうのは、仕事でプロジェクトを進めるのと一緒なんです。ビジョンを打ち立てて、プランを策定し、集客して、予算を確保し、手配して、リスクを回避する。そして強いリーダーシップで不確定要素の多い本番をマネジメントしていく。ビジネススクールで学んだことが宴会に応用できて当然です」

―最近、飲みニケーションは否定されがちですけど、宴会がきちんと切り盛りできたら仕事もできるようになりそうですね。

「まあ、こういうことが嫌いな人もいると思う。でも、これができるようになったら、どこでも使える武器になるし、人生も豊かになると思いますよ。ぜひ読んでもらいたいですね」

(撮影/高橋定敬)

●児玉教仁(こだま・のりひと)



1972年生まれ、静岡県出身。97年、三菱商事入社。2004年、ハーバード大学経営大学院に留学。11年、三菱商事を退社し、人材育成企業、グローバルアストロラインズを設立

『ハーバード流宴会術』



1470円



大和書房




ツボサザエの網焼きをしたいけど、同時に6個しか焼けない。参加者は8人……さて、どうする? 宴会のこんな状況に、経営学の視点からアドバイス。ほかにも「求められるのはビジョン・プラン・エクセキューション」「カラオケはマーケット・インの発想で選曲」など、超実践的宴会学が満載







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