ソニーがPS事業から撤退できない理由

週プレNEWS / 2013年2月17日 12時30分

7日、プレイステーション(PS)ブランドを展開するソニーは、携帯ゲーム機(PSP、PS Vita)の2012年度販売見通しを、前回予想の1000万台から3割減となる700万台に下方修正した。PS3のソフトも苦戦しており、PS系ゲーム機の全体に危機感が漂っている。

21日に開催される「PlayStation Meeting 2013」では新型PSがお披露目される予定だが、ソニーにとってはいっそのことPS事業から撤退するのも、更なる赤字を回避する手段のひとつなのではないか?

「ただ新ハードを出さないと、これからの戦術がキツくなるのも事実。例えば任天堂は、Wii Uやニンテンドー3DSなどの自社ハードのネットワークサービスを通じて、全世界で数億人のユーザーがなんのゲームを何時間プレイしていたかなどのマーケティングができ、なおかつ数億人に新作の情報をダイレクトに伝えたりすることができています。PSシリーズにもそういった側面があるので、任天堂とこれ以上ユーザー数の差をつけられてはいけないと、必死になっているわけです」(ゲームライター・野安ゆきお氏)

しかもPSという世界的ブランドは、ソニーグループ全体にとって、単純にゲーム機という以上の意味もあるのだと野安氏は続ける。

「ソニーグループが配信する映画や音楽をダウンロードするツールとしても活躍しており、すなわちゲーム以外の分野の新作告知やマーケティングもできる、プラットフォームという位置づけでもある。ですから、仮にPS4を核としたゲーム事業に赤字の可能性があったとしても、PS4を発売する意義があるし、勝負をかけざるを得ないんですよ」(野安氏)

では、ゲームのコアユーザーや業界に関わる人は、PS4をどうとらえているのか? 東京・秋葉原では次のような声が集まった。

「プレステ系は高性能な分、値段が高くなるから欲しくても買えない」(23歳・男性)

「僕は任天堂派だけど、ソニーも同じ日本の会社だから、頑張ってゲーム業界を盛り上げてもらいたい」(34歳・男性)

「3D対応とか家電と連動できるとか、そういうプラスアルファの機能が魅力的かどうかが勝負の分かれ道ですが、正直、PS4は厳しいと思う」(ゲームショップSの店員さん)

「ソニーには頑張ってほしい」という意見が多いものの、どうも諸手を挙げての歓迎ムードとはいかない様子。PS4がソニーの起死回生の一手となるには、どうしたらいいのか。

「任天堂がニンテンドーDSやWiiで直感的な操作方法のゲーム機というのを発表したばかりの頃は、何をとち狂ったのかと思われた。でもそれが大ヒット。だから従来のPSファンを怒らせるような、今までの流れを断ち切った奇抜なアイデアを盛り込むべきでしょう。大型モニターを完全タッチパネル対応にするくらいとっぴなアイデアが出るとおもしろそうなんですけどね」(野安氏)

だが、それは既存のファン離れを加速させ、なおかつ新規ファンも囲い込めないという危険性もはらんでいる。

「まさにそのとおりで、これは賭けなんです。まぁ、その賭けがうまくハマっても、バラ色のPS2時代のような勢いまでは取り戻すのはキツいでしょうね。ただ発売から約2年で1000万台突破のニンテンドー3DSがそうであったように、最近は2、3年かけて徐々に売れていきます。PS4も初年で売れなくても、問題は3年後にちゃんと売れているかどうか」(野安氏)

いずれにせよ、プレステの命運は間もなく発表されるだろうPS4にかかっている。

(取材・文/昌谷大介 照井琢磨 武松佑季[A4studio])

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