21年前に落下した“島根の隕石”がロシアの余波で再び脚光を浴びる?

週プレNEWS / 2013年2月27日 6時0分

これが「美保関隕石」だ! 畳のカスがこびりつき、 国立科学博物館が調査のために一部を削り取った跡が生々しい

世界の目をクギづけにしたロシア・チェリャビンスク州での隕石落下シーン。

これだけの天文ショーは一生に一度お目にかかれるかどうか。現地に飛び、落下の現場を見学したいと考える人もいることだろう。

だが、言うまでもなくチェリャビンスクは遠い。それに、そんなところまでおカネと時間をかけて出向かずとも、日本にだって“隕石の聖地”がある。

「美保関(みほのせき)隕石」がある島根県松江市だ。

その松江市の旧美保関町地区にある民家の屋根に、重さ6・38kg、大きさ25・2×14・1×10・6cmの立派な隕石がドッカ~ンと落下したのは、今から20年以上前の1992年12月10日午後9時過ぎのこと。

民家の主、松本優さん(77歳)が当時の様子をこう語る。

「夕食後にくつろいでいると、巨大な音が家中に響いたんです。2階の部屋の照明がこっぱみじんになり、その真下の1階和室の床には穴が開いていました。ただ、穴をのぞいても何も見えない。激しい雷雨の夜だったので、てっきり雷が落ちたのかなと思っていました。ところが翌日、床下を懐中電灯で照らしてみてビックリ。大きな石ころが転がっていたんです」

その後、国立科学博物館がこの石を分析したところ、地球上に存在しない元素であるスカンジウム44メタスターブルが検出されることに。

「それでわが家の天井に穴を開けた石は本物の隕石だということがわかったんです」(松本さん)

松本さんが偉いのは、その隕石を売り払わず、タダで自治体に貸与したこと。

「NHKなど多くのメディアで報道されたこともあって、海外の研究者から隕石をスライスして分けてというオファーが殺到しました。なかには数億円で譲ってくれと連絡してくる人もいましたね。でも、スライスしたら隕石の価値がなくなる。そこで現状のまま保存してほしい、できれば展示するなどして、地元の振興に役立ててほしいと、自治体に無償で渡すことにしたんです」(松本さん)

松本さんの申し出を受け、松江市はちょうど建設中だった複合施設「メテオプラザ」に展示コーナーを設置。隕石はスライスされることなく大切に保管され、最盛期には年間約1万人の見学者が訪れる一大観光スポットになったというわけ。

ところが―。

「パンダと違い、隕石は一度見学すると飽きてしまうらしく、来館者が年々減り、今では年間2000人にもならない。地元の和菓子店が売り出した『いん石まんじゅう』も売れ行き不振で、製造中止になってしまいました」(メテオプラザのスタッフ)

それが、今回のロシアの隕石騒動で再び脚光を浴びる?

「ここ数年、オフシーズンの2月は一日の見学者が2、3人という日も少なくありませんでした。ロシアに隕石が落下して以降は、一日5~10人という状況です」(メテオプラザのスタッフ)

低レベルながら、早くも入場者は倍増していた(笑)。

来館者に聞いてみる。

「美保関に隕石が落下したことなど、すっかり忘れていました。でも、ロシアの隕石落下を報じるニュースで、島根県にも大きな隕石が落ちたことがあるというのを聞いて、あっと思い出してさっそく足を運んでみました」(出雲市から来た40代の女性)

隕石の所有者である松本さんもこう張り切る。

「自宅前には隕石落下を記念するモニュメントもあります。興味があれば、メテオプラザだけでなく、こちらも訪ねてみてください。当時のお話をしますよ」

「美保関隕石」ブームの再来は近い?

(取材/ボールルーム)

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