セルジオ越後の一蹴両断! 第296回「J3を発足させるならJ1も再編しなければ意味がない!」

週プレNEWS / 2013年3月7日 9時0分

J2の下部リーグに当たるJ3の2014年の発足が正式決定した。

J3は10チーム程度の参加を予定し、アマチュアの日本フットボールリーグ(JFL)でJリーグ入りを目指しているクラブに加え、さらにその下部の地域リーグからの“飛び級”での参入も可能とする。参入のハードルはJ2よりも緩やかで、スタジアムの収容人数はJ2の1万人以上に対して、J3は芝生席含めて5000人以上、ナイター設備も必須条件ではないようだ。

以前から僕は言っているけど、J3をつくること自体は大賛成。何しろJリーグでは09年にサテライト(2軍)リーグが打ち切られ、若手が実戦を積む機会が減っていたからね。本来ならそのサテライトの代わりの役目を果たすべきJ2も、ベテラン勢が幅を利かせている。全クラブが少ない予算でJ1昇格という大きな目標を目指しているからだ。計算の立ちにくい若手より、働きを計算できるベテランを優先するのは仕方がない部分もある。

でも、それでは現状維持が精いっぱい。リーグの成長力が失われてしまう。だからこそ、J3発足によって若手のプレー機会が増えるのは歓迎。育成のためのリーグと位置づけ、J1、J2の若手をどんどん期限付き移籍させ、武者修行の場にすれば、大きな存在価値が生まれる。きっとそこから育成年代の代表チームに選ばれる選手も出てくるよね。いっそのこと、J3には23歳以下とか25歳以下とか選手の年齢制限を設けてほしいくらいだよ。

ただ、J3を含めたJリーグ全体のチーム数に関しては異論がある。

すでにJ1は18チーム、J2は22チームもある。そこからさらに10チームも増やすというのはちょっと多すぎるし、強化のピラミッドがいびつな形になる。



これも前から言っていることだけど、J3を発足させるなら、J1、J2の再編も必要だね。今はどちらもチーム数が多すぎて、大味な試合ばかりになっている。だから、J1とJ2のチーム数を14チームずつに減らすくらいでちょうどいいと思う。そうすれば、強化のピラミッドのバランスがとれるのはもちろん、トップリーグであるJ1に優秀な選手が集中し、リーグ全体のレベルも上がる。プレミア感も出て、ファンやメディアの関心も今より高くなるはずだ。レベルアップを第一に考えるのなら、そういう発想が出てこなければおかしい。

だから、今回のJ3発足決定については、なんのためにJリーグの看板を掲げるチームを増やすのか、Jリーグ側の意図がわからない。本当にレベルアップを考えた上での決定なのか、さらには新たな参入クラブのバックアップ体制をきちんと整えているのか、そこに大きな疑問が残るね。

JFLのクラブが、J3と名前が変わったからといって、急にプロらしくなるわけではない。むしろ待遇面など選手の選択肢を考えたら、プロ化を目指さない社員チームも混在するJFLのままのほうがよかったかもしれない。

すでにJ2には「Jリーグに入れます」「J1を目指せる」と甘い言葉をささやかれ、頑張ってJリーグに加盟したものの、今になって経営難に陥っているクラブが少なくない。僕もそうしたクラブのフロントと話す機会があるけど、彼らは本当に苦労している。このままだと、それを繰り返すことになるのではないかと心配だね。

(構成/渡辺達也)

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング