3.11から2年。「本当の復興」を目指して〜 岩手造船所

週プレNEWS / 2013年3月11日 1時0分

修繕現場に立つ船大工の川端雄貴さん。地元青年団のオフ時間の話題は、もっぱら婚活とか

あの大震災から2度目の春を迎える被災地。いまだ復興には程遠い現実に立ち向かいながらも、自ら道を切り開き、歩み続ける人々を追う。

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津波と火災で人口の約1割が帰らぬ人となった漁師町、岩手県大槌町(おおつちちょう)。被害の大きさもさることながら、ほかの被災地と比べ復興事業も遅れているのが現状だ。そうしたなか、いち早く事業を再開させたのが漁船や観光船の修繕や点検を行なう「岩手造船所」だ。ガレキの中から修繕に必要な工具を探し出し、津波で破損した船を復活させ、地元産業の復興を後押しする。

現在、船大工は総勢15名。ベテランぞろいのなかにあって、最年少の川端雄貴(かわばた・ゆうき)さん(24歳)も毎日の仕事に精を出す。震災当日、川端さんは東京で造船技術の資格試験を受けていた。試験は中止になり、慌てて故郷に戻ると実家は津波で全壊、現在は同町の仮設住宅に身を寄せている。

震災から1年間は船大工の仕事に必死の毎日だったものの、近頃では本業とは別に地元の青年団に所属。町のPR活動にもひと役買っている。

「地元のプレイマップを今作っているんです。故郷を離れた同級生にデートスポットを教えたり、観光客の手引きにもなれば。すべてを失ってしまったけど、町の未来を語ることで少しは明るくなれる気がする」

震災の爪痕(つめあと)はまだ深刻だ。しかし、川端さんのまなざしはしっかりと前を見据えている。

(取材・文/長谷川博一、撮影/野田雅也)

■週刊プレイボーイ12号「3.11から2年『本当の復興』を目指して」より

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