セルジオ越後の一蹴両断! 第297回「Jリーグ勢がACLで勝てない現状を、もっと深刻に受け止めろ!」

週プレNEWS / 2013年3月14日 15時0分

Jリーグが開幕した。昨季王者の広島はホームで黒星スタート。目立った補強がなく、選手層にも不安があるだけに、厳しいシーズンになるかもしれないね。その広島と最後まで優勝を争った仙台も、J2から昇格した甲府とドロー。開幕戦はそのほかの試合も引き分けが多かった。広島を破った浦和は期待できそうだけど、リーグを独走するまでの力はない。やっぱり、今季も大混戦になりそうだ。

開幕戦だけあって、各スタジアムはなかなか盛り上がっていたね。テレビや新聞など、メディア露出も多かった。実は、今季は野球のWBCと開幕日が重なっていたので、話題をもっていかれるんじゃないかと心配していたんだ。正直、ホッとしたよ。

少しサッカーから話はそれるけど、いくら日本は野球人気が高いとはいえ、さすがに今回のWBCは過去2回ほどの盛り上がりにはならないかもしれないね。まず、メジャー組不在の地味なメンバー構成。そもそも大会の権威が怪しく、真の世界一決定戦とはいえないことも認知されてきた。実際、1次ラウンドは相手がブラジル、中国といった格下ということもあり、客席がガラガラだった。まあ、2次ラウンドから一気に盛り上がりに火がつくかもしれないけど、いずれにしても、Jリーグにとってはラッキーだった。

もっとも、Jリーグが頑張らなければいけないのはこれからだ。魅力的なサッカーをして3、4ヵ月後にも同じようにメディアに取り上げてもらえるかどうか。それが大事。



ただ、そのJリーグの魅力という意味で気がかりなのは、Jリーグに先駆けて開幕したアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でのJリーグ勢の苦戦ぶりだ。

Jリーグからは昨季1~3位の広島、仙台、浦和、天皇杯王者の柏が参戦しているけど、白星スタートは柏だけ。広島はホームでウズベキスタンのブニョドコルに、浦和はアウェーで中国の広州恒大(こうしゅうこうだい)にそれぞれ完敗。仙台もホームでタイのブリーラムと引き分けた。

少し前まで中国やタイのチームといえば、確実に勝ち点を計算できた相手。でも今は、質の高い外国人選手を前線にそろえ、時折Jリーグ勢を圧倒するようなサッカーを見せる。時代の流れを感じるよね。ここ数年同様、今季もJリーグ勢は苦しい戦いを強いられるのは間違いない。残念ながら、「もうJリーグのチームは怖くない」がアジアの共通認識になっているんじゃないかな。

この現状は深刻に受け止める必要があるし、ファンやメディアも厳しく指摘すべき。それなのに、そうした声は聞こえてこないし、負けても「まあ、仕方ない」という雰囲気が漂っているのは、僕には理解できない。

僕はJリーグのレベルアップなくして、日本代表のレベルアップはないと考えている。最近は「海外でプレーする選手が増えたし、日本のサッカーは順調にレベルアップしている」という意見をよく聞くけど、それを鵜のみにするのは危険。海外のトップリーグでプレーする選手が増え、なおかつJリーグ勢がACLで実力を見せつけることで、初めて日本はアジアの盟主だといえるはず。

だから、ファンもメディアも“なあなあ”にならず、もっともっと高いレベルをJリーグ、そして各チームに要求すべきなんだよ。

(構成/渡辺達也)

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