自衛隊、オスプレイで特訓せり! ~米海兵隊合同演習「アイアンフィスト2013」に密着~

週プレNEWS / 2013年3月16日 12時30分

機体の周囲が安全なオスプレイは、大きな84mm無反動砲を背負って展開が可能だ

尖閣諸島への野心を隠そうとしない中国。もし日本の島が外敵に占領されたらどうするのか? そんな非常事態に備えるべく、陸上自衛隊が米国に乗り込んで行なった、米海兵隊との共同訓練の様子に密着した!

尖閣を想定した島嶼(とうしょ)防衛の特訓か? “日本版海兵隊”創設への第一歩か……?

さまざまな臆測が飛び交うなか、陸上自衛隊と米海兵隊の共同訓練「アイアンフィスト(鉄拳)2013」が、米国カリフォルニア州の海兵隊基地キャンプ・ペンデルトンを中心に行なわれた。

今回の注目は、自衛隊も導入を検討している垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ。ただ、沖縄・普天間飛行場への配備をめぐって地元が猛反発する機体だけに、オスプレイと陸自が絡む訓練を撮影できるかどうかは微妙だった。

そして迎えた2月13日。訓練のハイライトとなるこの日は、敵に占領された島へ日米が強襲上陸するという設定だ。待ち構える取材班の上空に、キター!!





4機のオスプレイが美しい編隊を組んで飛来し、あっという間に着陸。1機目の後部扉が開いた瞬間、89式小銃と3日分の戦闘装備を背負った陸自・西部方面普通科連隊(西普連)の隊員が先陣を切って走り出る。

次いで米海兵隊員がM16ライフルを構えて進撃路を確保。その進撃路を4機の機体から飛び出した西普連の隊員たちが、小銃、機関銃、無反動砲、最後に補給物資を担いだ隊員の順で、300m離れた集結地に向けてダッシュする。

これまでのCH53ヘリなどに比べると、オスプレイはダウンウォッシュ(ローターが起こす下向きの強い気流)が弱いため、隊員が中腰で踏ん張る必要がない。危険なメインローターのたわみや尾部ローターもないので、着陸後の全周囲警戒が容易にできるのだ。

陸自西普連の隊員たちは、米海兵隊と一糸乱れぬ息の合った動きで展開した。よく見ると、スタティックロープなどの装備や、隊員たちの髪型まで陸自風からマリーン風にバージョンアップ。

日本への本格導入に課題は多いが、オスプレイとのコラボは、日本の島々を守る“空からの鉄拳”となる可能性を秘めている。







アイアンフィストでは、島の奪還などを想定して海からの上陸訓練も行なわれた。

ここで登場したのは、水陸両用の輸送・戦闘車両であるAAV7。旧式で装甲が弱いとの指摘もあるが、まだまだ各国で使用されている実用的なモデルだ。

いくら西普連が精鋭部隊といっても、島への上陸手段がゴムボートだけでは敵から狙い撃ちされてしまう。そこでAAV7のような装備が必要なのだが、陸自は平成25年度の予算案でようやく4両の購入費を計上したばかり。

こうした現状について、米海兵隊に詳しい戦争&平和社会学者の北村淳氏が次のように指摘する。

「アイアンフィストは今回で8回目になりますが、米海兵隊としては、まだ陸自に『米海兵隊はこんなもんですよ』と実体験してもらっている段階です。以前よりレベルアップしたとはいえ、やはり年に1回、米国に陸自の小部隊だけがちょこっと来ての訓練では100年たっても日本版海兵隊はできません。

いずれ米海兵隊は、沖縄からグアムに下がることになるでしょう。そのときまでに日本独自の水陸両用戦能力を持たなければ、日本の防衛は不可能です」

眼前に中国の脅威が迫るなか、必要な装備や組織の編成は、果たして間に合うのだろうか。

(撮影/柿谷哲也 SASAGAWA PHOTO OFFICE 協力/小峯隆生)

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