2025年、人口80億人。地球に食料危機がやってくる

週プレNEWS / 2013年3月19日 15時0分

世界の人口が80億人を突破すると推計される2025年。現在でも食料自給率が40%を下回り、海外からの輸入に頼らなければ食っていけない日本は、深刻な食料危機に直面する可能性が高い。

しかも、ただでさえ厳しい食料事情をさらに危うくする動きが、グローバル化した世界のあちこちで発生し始めている。なかでも、人口爆発は現実的だ。

地球が養える人間の数には限界がある。土地にも水にも石油にも、すべての資源には限りがあるからだ。だが、世界の人口はふくらみ続けている。

1959年には30億人だったのが、87年に50億人に達し、2011年には70億人に。人口が増えれば当然、必要な食料も増える。一方で、人の住む場所や働く工場を確保するため、農地は減少。生活用水や工業用水の需要が増え、世界中で農業に使用する水も不足し始めている。

フィリピンにある国際稲研究所は「地球が養える人口は83億人が最大」と推計している。一方、世界の人口は2025年には80億人に達する見込みだ。必然的に、不足する食料の価格高騰が予測される。

農林水産政策研究所が2011年2月に発表した「2020年における世界の食料受給見通し」も、今後10年間は食料価格が上昇すると予想する。さらに、国連人口部の推計によれば2043年頃には世界の人口が90億人まで増えるとされており、土地の物理的限界から農業生産量の拡大が見込めない以上、食料の争奪戦が起きることは確実だ。

世界の食料供給に深刻な影響を与える、干ばつなど異常気象の不安も忘れてはならない。例えば、『食の終焉』(ポール・ロバーツ著/ダイヤモンド社)によれば、全世界におけるトウモロコシ輸出量の6割を占めるアメリカで、広大な地域の水源となっているオガラーラ帯水層は30年以内に干上がる見込みだという。

異常気象によって食料生産が落ち込めば、各国は輸出を控える。2010年夏、干ばつで不作に見舞われたロシアは「穀物輸出禁止令」を発令。これが世界中で穀物価格の高騰を引き起こした。自国民の食料不足を防ぐため、輸出国の政府が輸出禁止を断行するのは当然の政策といえる。

そうなった場合、影響をモロに受けるのは食料自給率の低い国。つまり、日本だ。

2011年度の日本の食料自給率はカロリーベースで39%にとどまる。先進国はどこも農業政策に力を入れており、食料自給率が50%を下回る国はごくわずか。

「食料が足りなければ、カネを払って輸入すればいい」という声もあるが、実際には「食料はできるだけ自給する」と考えている国が多いため、穀物が輸出に回されている量はかなり少ないのだ。

『2015年の食料危機』(齋藤利男著/東洋経済新報社)によれば、世界全体のトウモロコシの生産量から輸出に回されているのはわずか6%。ただでさえ少ないのに、異常気象が発生して各国が穀物の輸出をさらに制限したらどうなるか。食料価格が暴騰し、日本の庶民が普通に食べることさえ難しい状況になるかもしれない。

さまざまな要因で食料危機の到来が予想される今、日本は少しでも食料自給率を上げることを真剣に考えるべきだろう。

(取材・文/宮崎俊哉 山田美恵 渋谷淳 名須川ミサコ 中島大輔)

■週刊プレイボーイ13号「地獄の食料危機がオレたちを襲う!!」より

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