ガンダム、ボトムズの生みの親! 巨匠・大河原邦男が明かす“メカデザインの秘密”

週プレNEWS / 2013年3月30日 6時0分

「ザクにガンダムのイライラをぶつけました」と語る、日本初のメカ専門デザイナー・大河原邦男氏

『機動戦士ガンダム』や『装甲騎兵ボトムズ』のメカデザイナーとして有名な大河原邦男氏。彼の作品展が開催中ということで、今だから明かせる秘話を伺うべくインタビューを敢行! 訪れた先生の仕事場では、約150cmもあるシャアザクが出迎えてくれた。

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「私個人としては、ガンダムよりザクのほうが断然好きなんですよ。ガンダムは主役機で最初からおもちゃ化が決まっていたので、スポンサーからの注文や直しが多かったんですけど、ザクはかなり好き勝手にデザインできたんでね。だって私は最初にガンダムに口を描いてたんですけど、修正させられましたから。逆にザクは当初はおもちゃの予定は一切なかったんで、ガンダムの修正でたまったイライラを解き放つかのように、自由に描かせてもらえて(笑)。ザクは第一稿のデザインからほぼ変わってませんからね」

―ザクにイライラを(笑)。では、主役機で好きだったメカは?

「『装甲騎兵ボトムズ』のスコープドッグでしょうね。ガンダムのように18mもなく、4m弱というリアルな設定だったので描き応えがありましたよ。搭乗型の場合、パイロットがどこに乗るかを考えるのが重要なんですが、ガンダムほどの大きさになれば、正直、人間はどこにでも入れられるじゃないですか。でも、人間の倍ほどしかないスコープドッグは、どこに人間を収めるかがポイントになってくるので。おもちゃになるかならないかは関係なくて、私は立体化できないデザインは描きたくないんです。絵を描くときに嘘はつきたくないんですよ」

―それなら、今回の展覧会に展示される、鉄鋼アーティスト・倉田光吾郎(こうごろう)氏が製作した1/1スコープドッグを初めて見た際は大感激?

「自分なりに“納得”できたのでうれしかったです。『ほら、やっぱりちゃんと人が乗れるんだ』と。頭の中で考えていたことが実証できた喜びですね。1/1ガンダムのときよりも感動しました(笑)」

―1/1スケールではまだ実現してませんが、おもちゃの立体化で忘れてはいけないのが『勇者エクスカイザー』『勇者特急マイトガイン』といった『勇者』シリーズの主役機たち! いくつものメカが変形・合体し、最強ロボに進化していくさまに度肝を抜かれました!

「『グレートマイトガイン・パーフェクトモード』なんて10体のメカが合体してますからね。しかも本当はもっと簡単にできるのに、子供が喜ぶような派手で複雑な変形というか、変形のための変形というか、ともかくむちゃな要求をされることも多くて(笑)。勇者シリーズは8本あって、もちろん新シリーズの放映前に最終形態の最強ロボまで考えてるので、毎年毎年やりがいがある仕事でした」

―最後に『超・大河原邦男展』の見どころをお教えください!

「今回は最終的に採用された決定稿に至る前の、まだ修正を繰り返している段階のラフ画も展示しているんです。実はそういうラフ画はコピーもせずに提出していたので、私の手元にもなかったもの。だから私自身、何十年ぶりかに目にする画もたくさんありびっくりでした(笑)。この展覧会がなければ、一生世に出なかったものですね」

先生も驚きの40年が凝縮されているとは! メカニックデザイナーの原点、ここにあり!

(取材・文/昌谷大介 照井琢磨[A4studio] 撮影/下城英悟)

●大河原邦男(おおかわら・くにお)



1947年生まれ、東京都出身。竜の子プロダクションで『科学忍者隊ガッチャマン』など数々の作品を手がけた後、フリーランスに。日本のメカデザイナーのパイオニアである

■「超・大河原邦男展 ―レジェンド・オブ・メカデザイン―」



開催期間:2013年3月23日(土)~5月19日(日)



会場:兵庫県立美術館



開館:10時~18時(金曜・土曜は20時まで、入場は閉館の30分前まで)



休館日:月曜 *ただし4月29日と5月6日は開館、4月30日(火)と5月7日(火)は休館



観覧料:一般は当日で1300円。前売りは1100円で発売中!



【http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1303/】

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