官民ファンドによる中小企業への資金注入は「不良債権を税金で肩代わりするだけ」?

週プレNEWS / 2013年4月4日 9時0分

中小企業が抱える借入金の返済期限延長などを求めた「中小企業金融円滑化法」が3月末で期限切れを迎えた。これに伴い、中小企業の倒産が相次ぐことを危惧した安倍政権は、「官民ファンド」を多数設立して彼らに資金を注入しようとしている。

しかし、官民ファンドは独立行政法人などで構成され、資金源の大部分は税金。まさに政と官の利害が一致し、そのツケがわれわれ国民に回される構図だ。

最後の希望は、資金注入された中小企業の多くが見事に再生することなのだが……某信用金庫の営業マン、S氏が不気味な証言をする。

「ウチの信用金庫も、中小企業基盤整備機構が中心となった官民ファンドに少額ですが出資しています。もし“官”の資金のみで回収不能であることが明らかな企業さんに融資して、焦げつけば大問題です。だから少額でも“民”の資金を入れることが重要なのです。民間の金融機関は危険な案件に手出ししないだろうと思ってもらうことが目的です。たとえ損失を出しても、ファンドという名称はリスクが伴うイメージがありますから、仕方がないと思ってもらいやすい」

だが、民間の金融機関にメリットはあるのか。

「官民ファンドに出資している民間金融機関の多くは、“少額の”出資金は半分捨てる気持ちでいると思います。本当の狙いは、自分たちが直接融資していて回収が困難となり不良債権化している企業さんに対して官民ファンドのお金を投入し、そのお金で自分たちに返済させることなのです。少なくとも私は上司からそう指示されていますし、ほかの民間金融機関さんも同じだと思いますよ」(S氏)

それでは、不良債権を税金で肩代わりするだけになってしまう。さらにS氏が続ける。

「私は営業なので町工場の社長さんたちともよく話をします。彼らの中には、たとえ追加融資を受けても事業の継続は不可能だと言う人も少なくないんですよ。でも融資している金融機関側からすると倒産はさせたくはない。だから返済期限を猶予したり毎月の支払額を減らしたり、さらに追加融資をするなどして無理やり延命させてきたのです。中小企業向け融資の多い地元密着型の信用金庫や地銀は、官民ファンドを上手に利用して自分たちの不良化した債権を回収することしか頭にないと思います」

債務額よりも少しだけ多めの融資が官民ファンドから下りれば、民間金融機関に返済しても多少の運転資金は残る。その資金を中小企業が生かし、奇跡の大復活を遂げる……というパターンは、まったくあり得ないのだろうか。

「もうだいぶ前に倒産を決意したんだけど、信用金庫さんがそうさせてくれなかった。でも、仕事はないし現金もないんだから、人件費を払えないじゃない。だから職人さんたちを解雇するしかなかった。つまり、今さら少額のお金が手元に残っても事業を継続できないの。個人で消費者金融から借りている分を返済したら、残金はスナックで飲んで競馬をやったら終わりじゃないかな(苦笑)」(東京・大田区で町工場を経営するN社長)

安倍政権の経済政策をこのまま放置すれば、数年後には暗黒の大不況が訪れるかもしれない。

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング