日本とアメリカでバブルの気配が同時進行している

週プレNEWS / 2013年4月12日 15時30分

「2期目に突入した米大統領の任期中にバブルが発生しやすい」と指摘する岩本沙弓先生

アベノミクスの影響もあり、円安・株高が続いている日本経済。日銀が新たな金融緩和政策を決めてからはその流れが加速し、日経平均株価は上昇を続け、為替レートも1ドル=100円に迫る勢いだ。

金融コンサルタントで経済評論家の岩本沙弓氏は、1年以上前から著書でこの状況を予想していた。しかも、日本が円安・株高に転じた現状に、「最後のバブルがくる」可能性も指摘している。そもそも、バブルとは何なのか。岩本氏が語る。

「一番わかりやすいのは、世界の中央銀行がとんでもなく資金供給をしていることです。アメリカはサブプライム問題の後処理で、EUは欧州危機で、日本も別にやらなくてもいいのに追随している。これだけ多くの資金があふれると、とりあえず金融機関にお金がたまる。金融の世界では、これを通称“ブタ積み”といいますが、それがわれわれの手元には回ってこないで、株式など金融部門だけに回ってしまう」

つまり、庶民は蚊帳(かや)の外というワケだ。

「本来であれば、中央銀行が金融緩和をして放出したお金を、金融機関が一般に融資をすることでお金が行き渡る。金融緩和はこの2段階のステップを踏んで、初めて効果が出てくるわけです。ところがこれまで、世界に先駆けて日銀が行なってきた金融緩和は、金融機関から資金が一般の人々にまで行き渡ることなく、金融機関でストップしてしまった。その資金は世界に流出して、海外のバブルの温床になってしまった面がある。金融緩和をしていると、世界のどこかでバブルが起こる」

そして、次のバブルは日本で起こるということなのか?

「被災された方の心情を思うとこんなことを言うのは憚(はばか)られるのですが、実情として日本は震災があったので、実体経済の回復を伴って資金が流れ込みやすい状態にある。世界を見渡すと、欧州連合(ユーロ)は今日明日にはなくなりませんが、延命措置をしているだけなので2016年ぐらいにはアウト」

では、アメリカはどうか?

「2012年初頭の段階では、まだサブプライムの後処理ができていなかった。消去法で、先進国でマシなのは日本しかなかったわけです。昨年初めの段階では日本がバブルを主導して、アメリカが追いつく図式になると考えていました。しかし、アメリカは復活のスピードがものすごく速い。ふたを開けてみればバブルの気配が日米同時進行している」

確かに、NYダウ平均株価は史上最高値を更新中で、日本もリーマン・ショック前の日経平均水準にまで戻っている。それでも、岩本氏は現状を「バブル」と判断するのは時期尚早だという。

「これがバブルかどうか、私はまだ50対50だと思っています。短期的な景気浮揚で、株や資産のような金融部門だけで盛り上がった小泉首相時代のいざなみ景気と同じパターンを踏襲するか、あるいは50年後とか100年後の経済基盤を維持できるような経済の増強ができるか。後者のほうが断然いいのですが……」

円安・株高がわれわれの実体経済にまで影響を及ぼすのは、まだ少々先の話。現状だけでアベノミクスの真価を測るのは、早計のようだ。

(取材・構成/鈴木英介)

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