いま、ネパール人のコミュニティが東京で急成長している

週プレNEWS / 2013年4月17日 12時0分

かつては、インド料理の看板を掲げていても、実はネパール人が切り盛りしているという店が多かったが、最近は『ネパール料理』を前面に押し出す店が主流になりつつあるという

日本で暮らす外国人の姿は、今ではすっかり珍しくなくなった。法務省の統計によると、平成23年の外国人登録者数の総計は約207万人。10年前と比較すると、30万人近くも増加している。

そこで注目されるのが、特定の国の外国人たちによるコミュニティの形成だ。中国人でいえば横浜・中華街や東京・歌舞伎町、韓国人なら東京・大久保に独自のコミュニティをつくっているように、外国人が一定人数集まれば、自然とコミュニティが生まれる。多くの外国人が暮らす東京都新宿区の地域文化部多文化共生推進課長・太田公一氏はこう語る。

「まず、ある国の食料品や雑貨を売る店ができると、それを買いに人が集まり、いずれ『拠点に便利だから』と近所に住みだします。すると、今度はその国の料理店ができ、そこに雇用が生まれ、さらに人を呼ぶ。そうやって外国人のコミュニティがつくられるケースがあります」

ここ最近、東京を中心にそんなコミュニティを急成長させているのがネパール人。しんじゅく多文化共生プラザの大熊賢司所長はこう語る。

「彼らの多くはインドでコックの資格を取って来日するのですが、従来は『インド料理の看板を掲げた店を、実はネパール人が切り盛りしている』というパターンが多かったんです。日本ではネパールの知名度が低いので、インドの看板を借りていたんですね。でも、最近は『ネパール料理』をそのまま前面に押し出す店が主流になりつつあります」

母国人が増えてくれば、堂々とネパール料理で勝負できるようになるということらしい。

「また、最近はエグゼクティブクラスの人材も出てきています。ある人は最近、日本-ネパールの直行便を就航する航空会社を日本で起業しました。さらに、東京のネパール人の子弟に対する教育を充実させようと、杉並区阿佐谷にこの4月、ネパール人学校もオープンしています」

ただし、外国人コミュニティが必ずしもすぐに地域社会に溶け込めるとは限らない。東京・大久保の韓国人街で長年商売をしている日本人男性がこうぼやく。

「韓流ブームに乗って最近はものすごく人口が増え、店も次々にできた。今じゃ、メインストリートから少し入った住宅街にまで出店して、深夜まで客が行列をつくっているんだ。表向きは『多文化共生で頑張ろう』なんて言う人もいるけど、住宅街の住民たちは相当、迷惑がってるよ」

この例に限らず、外国人が多い街では、やはり大なり小なり摩擦は起きているらしい。あらゆる国籍の人々と、いろいろな生活の場面で接することに、日本社会は慣れていく必要があるだろう。

(取材・文/頓所直人 興山英雄)

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング