魅惑のお取り寄せグルメを実食判定!【カレー編】

週プレNEWS / 2013年5月3日 6時0分

B級グルメに地方名産、フルーツ味などバラエティ豊かなご当地カレー。カレー評論家・小野員裕氏のイチオシは?

全国各地の名物が自宅で味わえると人気の“お取り寄せグルメ”。そのなかでも、ご当地カレーは各地にごまんとあってついつい惹かれて買ってしまうけれど、真の名物といえるものはあるのだろうか? カレー評論家の小野員裕(かずひろ)氏に個性派ぞろいのご当地カレーを試してもらった。小野氏はお取り寄せなんて正直、どれも同じようなもので期待はしてないようだったが……?

■個性派ぞろいの具よりキモはルーの味

週プレ 今回は具が珍しかったり味の想像がつかない変わり種までそろえましたが、いかがでしょう?

小野 なるほど。「じゃこ天」「麦酒」「馬か」は15年くらい前からあって比較的古いんだよね。その頃から特産品を使ったレトルトカレーが売り出されたんですよ。

週プレ 未食はありますか?

小野 「いかまんま」と「黒の海苔ごま」「静岡わさび」は初めて。

週プレ 一食目はそこから?

小野 なんでもいいよ(苦笑)。

週プレ ではとっとと「ダチョウカレー・中辛」から実食!

小野 ん~、これはけっこうイケてる。珍しいな。辛味の加減がよくていやみな甘さがない。味がまとまってるし相当出来がいいです。ちゃんとした人が作ってるね。

週プレ で、でも初ダチョウを期待してたのにお肉の食感がパサッパサ(涙)。脂っ気もなく……。

小野 仕方ないよ。レトルトは130℃で20分から30分加圧殺菌するから、どれだけ高級な肉を入れてもこんな味と食感になっちゃう。でもこれはカレーとしてはクオリティが高い。たぶん1位ですね。

週プレ 早っ! もう消化レース? てことで、続いてのエントリーは「じゃこ天カレー」。うわっ、魚のにおいがキツい……のに全然じゃこ天の味がしない。

小野 においは、後から添加してるんです。いやみな甘さがないので上等かな。ただ、じゃこ天はそのまま食べたほうがおいしい(笑)。

週プレ まさに! そうとしか言いようがないよね~。さっさとお次は真っ白なソースの「博多明太子カレー」。色はおいしそう!

小野 味にパンチがないね。塩気が足りないし明太子が全然生かされてない。おいしいけどカレーじゃなくて辛口なクリームソース。白身魚のソテーに添えるとかソースと思えばいろいろ使えるね。

週プレ うーん、クリーミーだし普通においしいんだけど、確かに一番期待してる明太子感はかなり薄い。アレンジで楽しむ感じ? そしてB級グルメでメジャーとなった「津山ホルモンカレー」登場!

小野 ソースの味はいいほうだけど、塩気が足りないのと旨味の奥行きがないのが気になるね。

週プレ とはいえ、好意的に食べられる部類のような。ホルモンを楽しめるか、これも疑問ですけど。

小野 そうだね。それで今4品目だよね。これ食べ続けた後にク●レカレーとかボ●カレーを食べると、なんておいしいんだ! さすが大手って思うよ(笑)。

週プレ いや、それを言っちゃあ……ますます身も蓋(ふた)もないです! そんな悲しい現実(?)はさておき「金沢カレーいかまんま」に期待! パッケージはオシャレ~。

小野 ナイフとフォークで食べるのも斬新なアプローチかも(笑)。ただ完全なるイカめしのにおい。カレーの味は死んでるけど、これはこれでコクがあっておいしいか……2種類あって辛口のほうが甘さが抑えられていてうまいね。まぁ限りなくイカめしだけど、バリエーションとしてはアリです。

週プレ 男子はけっこう好きだと思いますけどね。イカめしだと飽きるけどカレー味だと最後まで食べられるしジャンキーで新鮮!

小野 イカめしだけどね(苦笑)。

週プレ で、お次は“バカ”とも読めるネーミングにまんまと惹かれる「馬かカレー」ッス。

小野 ソースは甘めだね。けっこう出てる馬肉の中でも有名だけど、オーソドックスで特色ないなぁ。

週プレ 特徴ないですよね。名前に裏切られた感じ! でも続いて「黒の海苔ごまカレー」は高級感が漂うパッケージ、黒ゴマにのり?なキャッチーさでつかみはOK! で、肝心の真っ黒ソースは……。

小野 これ、ほぼインドカレー。たぶん小麦粉使ってないな。舌にゴマの食感が残るね。

週プレ スパイシーだけど、おいしいかといわれるとビミョ~。有明海ののりを生かそうって気持ちは伝わるものの残念な食感で……イヤ~な不快さが舌に残りますよ。

小野 ただ、相当技術がある人が作ってますよ。よくできてる。普通の汁そばにスプーン1、2杯分かけたらうまいんじゃないかな。

■ラスト3品は問題作? が、奇跡が起こるのだ!

週プレ それってカレーとして褒めてないし(涙)……って、なんだか不愉快で不思議な香りとともに「いちごのカレー」がテーブルに。いよいよラストの3品ですっ!

小野 フルーツ系は本当にマズイのが多いんだけど、あ~~~マズイ! 確かにイチゴとカレー風味が混ざった味ではあるけど。

週プレ うっ、においもスゴい……ああダメだ、ギブです!

小野 言っておくけど、これはまだいいほう。甘味を添加してるのでみんなジャムみたいだから。

週プレ 大人の苦味を期待できる「雲仙旅の麦酒カレー」でひとまず口直しを……んっ、コレも!?

小野 独特のいやみな甘さでしょ? ビール酵母の風味がキツいのかな。これなら豚バラをビールで煮て入れたほうがいいと思うけど。

週プレ ていうか、おいしいレトルトカレーを食べながらビールを飲みたい! そしてついにラスト「静岡わさびカレー」です。

小野 うわー、これもにおいがキツいね。はぁ~、ツラいな。

週プレ ルー自体が辛くないのはお好みでかける特製わさびオリーブソースがポイントですかね。

小野 ええ……あっ! 使うと食べられるようになる。単体だと最悪なのが混ぜると味が成立する?

週プレ ホントだ! うまいかどうか別として、有無を言わせず全部を帳消しにする辛さです!

小野 わさびの風味で味がまとまるね。もしかしてコレさえあればなんでもイケちゃうかも(苦笑)。

週プレ えっ、いちごも?

小野 全部おいしくしてくれるんだ、コレ。この発想はなかったな。新しい。今度作ってみますよ。

週プレ もしかして、イチオシは大ドンデン返しで……?

小野 いや、それは「ダチョウカレー」で(笑)。カレーとして一番成立しているのを考えるとね。でも、わさびオリーブソースはすべてを超越した存在かな……。

(取材・文/渡邉裕美 short cut[榛村季溶子、山本絵理、甲斐真理愛] 撮影/佐賀章広)

●小野員裕(おの・かずひろ)




1959年生まれ。カレー評論家。文筆家、大衆料理研究家、『All About』B級グルメのガイド。数多くのカレーに関する著書、レトルトカレーのプロデュースなどを手がける

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