結局のところ、賃貸と持ち家はどちらが得なのか?

週プレNEWS / 2013年5月8日 15時0分

賃貸と持ち家を購入した場合のシミュレーション。合計額にはさほど差はつかないが、支出がかさむ時期が大きく違うことに注意したい

アベノミクス効果によりマンションなどの不動産価格も上昇中。マイホームの購入を考える人はさらに高騰する前に買うべきか焦るかもしれないが、そもそも一生というスパンで考えた場合、賃貸と持ち家ではどちらが得なのだろうか?

「家計のホームドクター」をモットーに、資産運用や不動産購入などの相談業務やセミナー講師をつとめる、三輪鉄郎事務所所長でファイナンシャル・プランナーの三輪鉄郎氏が解説する。

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借家や賃貸マンションで暮らすか、マイホームの購入か。一生のうちで誰もが一度は考える問題でしょう。実際、この質問は非常に多くの方々から受けます。

しかし、残念ながらすべての人に当てはまる回答はできません。

マンションや一戸建てを借りた場合の賃料や、持ち家購入時の自己資金、将来のリフォーム費用など、条件を変更すると結果は大きく変わってしまうからです。

そのため一概に「どちらが得」とは言い切れませんが、モデルケースをつくってシミュレーションしてみました。比較表を一応の目安にしながら、賃貸か持ち家かをあらためて検討してはいかがでしょう。

ここで比較したのは、30歳から80歳までの51年間です。

賃貸のケースでは、独身時代に住む家賃8万円の部屋から、人生の節目に応じて2回ほど転居する設定にしました。38歳から59歳までは結婚、子育ての時期で、広い賃貸住宅で暮らすこととします。

60歳以降は成人した子供が独立し、夫婦ふたりだけの生活に戻るため、再び家賃の安い賃貸住宅に引っ越すと仮定しました。

一方、購入のケースは、価格2600万円、諸経費200万円、合計で2800万円のマンションを想定。自己資金500万円、住宅ローン2300万円で購入する場合を設定しました。

この設定条件でシミュレーションすると、賃貸と持ち家の合計額にそれほど大きな差はつきませんでした。ただし、インフレなどマクロ経済の影響、持ち家優遇税制の影響、ローンの繰り上げ返済などについては考慮していませんので、将来の経済動向次第では、これより大きな差が出ることもあり得ます。

ここで、注目してもらいたいのは、「支出時期の違い」です。

持ち家の場合、住宅ローンの返済が終わる65歳以降は、住居費が低くなります。

片や賃貸では、高齢期も家賃の支払いが続きますから、家族の中の働き手に何かが起きたとき、生活が苦しくなる恐れがあります。

持ち家の場合は、購入時に団体信用生命保険に入ることを義務づけられるケースが大半です。この保険は住宅ローンを組んだ当事者が亡くなったとき、残りの支払いは免除されるものですから、この点においては家族も安心です。

もし一生賃貸住宅で暮らす覚悟なら、若いうちから老後の分まで住居費を準備しておくことが必要になってくるでしょう。

理論的には、家を買うときの頭金やリフォーム費用がかからない分、賃貸派のほうが貯金は多くたまるはずです。家を買った人が必死で住宅ローンを払うように、賃貸派は計画的に老後の資金を蓄えておきましょう。

(取材・文/本誌エコノミクス班)

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