民間のがん保険や医療保険は入る必要がない?

週プレNEWS / 2013年5月14日 9時0分

もし、がんや重い病気になってしまったときに、民間のがん保険や医療保険に入っていないと治療費や入院費が払えなくなる…という不安からそれらの保険に加入している人は多いだろう。

だが、経営コンサルタント会社インフィニティ代表の岩崎日出俊氏によると、実は民間のがん保険や医療保険には必ずしも入る必要がないのだという。なぜなのだろうか?

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特別な事情がない限り、医療保険に限らず民間の保険には入らなくていいと思います。特に民間の医療保険は、入る必要がありません。

そもそも日本には、すべての国民に対し、医療機関で支払った医療費の7割を負担してくれる国民健康保険制度があります。しかも、1ヵ月間に支払う医療費が8万100円を超えたときは、高額療養費として超過分のかなりの部分が後日戻ってくる仕組みです(100万円の医療費でも、実質負担は8万7430円)。

こんなにありがたい国民健康保険がある上、企業や自治体でも定期的に健康診断が受けられる制度が整っています。この状況を米国と比べると、医療に関していかに日本が恵まれているかがわかるでしょう。

米国では低所得者や高齢者、障害者のための公的医療保険はありますが、基本的には自由診療、つまり100パーセント自己負担です。

そのため米国民は民間の医療保険に加入して、高額な医療費を支払うリスクに備えています。しかし、医療費に劣らず民間の医療保険料も保障が手厚いものは高額で、支払えなくなる人が後を絶ちません。現在、米国では、オバマ大統領の発案で日本のような国民皆保険制度を取り入れようとしています。

ところが皮肉なことに、日本では米国の民間医療保険会社が発売している医療保険が売れに売れています。テレビではよく「がん保険」「がん特約」といったCMが流れていますが、テレビCMを大量に流せるということは保険会社が儲かっている証拠。加入者側にとっては、支払った保険料が払い損になっている可能性が高いということです。

当たり前ですが、がん保険に入っていれば国民健康保険でカバーできる治療よりいい治療が受けられるわけではありません。

やがて高齢になれば病気にかかることもあるでしょうが、民間医療保険に入ってその日に備えるより、日頃から病気にならないような生活を心がけるほうがずっとましだと思います。

(取材・文/本誌エコノミクス班)

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