人を思いどおりに操るマインドコントロールのテクニック

週プレNEWS / 2013年6月10日 16時0分

人から恩恵を受けると、ついついお返しをしたくなる「返報性」もマインドコントロールの代表的なテクニックだ

マインドコントロールとは、誰もが持つ人間心理を利用して自分が望む結論に相手を誘導すること。カルト集団や悪徳業者にだまされないためには、こうしたテクニックをあらかじめ知っておこう!

【1】返報性

人から何かプレゼントをされたり、「あなたは素晴らしい人ですね」などと称賛されたり、困っていることを手伝ってもらったりして恩恵を受けると、それに対して応えなければならないと思う。それが返報(へんぽう)性だ。

人は普通、一方的に好意を受けてばかりはいられず、必ずなんらかの形でお返ししなければ気が済まない。

例えば、セールスマンなどが顧客に花束やコンサートのチケットを贈ったり、あるいは手書きの手紙やバースデーカードを送ったり、ゴミ出しを手伝ったり、肩をもんだりして好意を示すのは、この心理を利用してのこと。恩恵を受けた人は、「自分にできるお返しは商品を買ってあげることだ」と、勧誘に応じてしまうことになりやすい。

【2】コミットメントの一貫性

自分が一度何かをしたら、その後もつじつまの合う行動を一貫して続けたい、あるいは一貫していると人から見られたいという心理のこと。自分で決めたことや約束したことを、後から変更することは非常に難しい。

会員カードなども簡単に作れるのよりは、多少手間がかかるほうが、「せっかく作ったのだから、使ってみよう」という気持ちにさせられる。

また、ひとつひとつ自分で決断したように仕向けられると、こうした心理と相まって、「なんのために今までがんばってきたんだ」「すべてをかけると誓ったんだから、全財産を献金して信仰を貫こう」などと考え、引き返すことができなくなる。

【3】権威性

人間誰しも権威には弱い。権威のある人の指示には深く考えずに従いがちである。

そのため権威者、もしくは権威があるとみんなから思われていそうな著名人との関係を強調されると、ついついその人や団体を信用してしまいやすくなる。

この心理を利用するため、怪しげな団体は、わざわざ代表者と著名人のツーショット写真を見せたり、「うちの代表は芸能人の○○さんとよく食事したりして、仲がいいんですよ」などという話を聞かせるのだ。

【4】ローボール

まず最初は、相手が受け取りやすい“低い球”を優しく投げることから始める勧誘テクニック。

いきなり、「宗教に入信しませんか?」「お布施を納めましょう」「この絵を買ってください」と言われたら誰でもすぐに拒絶するだろう。

だが、「手相の勉強をしています」「アートに興味はありませんか?」などと声をかけられたら心理的抵抗感が薄くなる。勧誘された者は「それぐらいなら付き合ってもいいか」と感じて、引き込まれやすくなる。

【5】好意

人は誰でも、自分が好意を抱く相手からの依頼は受け入れやすい。また、受け入れてあげなければならないと思うものだ。

男女とも、それが恋愛感情を抱いている相手ならなおさらで、「好きな人から頼まれたら、応えて当然」となる。その場合、相手の願いを聞き入れることで好かれたいという心理も働く。

また、最初はなんとも思っていない相手でも、自分の容姿やセンス、仕事ぶりなどをほめてくれた人、あるいは趣味や人生観などが合うと感じる人に対しては、だんだんと好意を抱くようになり、同じ心理状態に陥る。

【6】拒否したら譲歩

最初は、相手に拒否されることを前提として過大な要求を突きつけ、計算どおり拒否された時点で譲歩して、相手が受け入れやすい小さな要求に切り替えて承諾させるテクニック。

勧誘者は本来の目的を隠した何げない会話から言葉巧みに相手の資産状況、自由に使える金額、興味を持っていることなどをリサーチし、それぞれに合わせたレベルの取引や金額を持ちかける。一般的なビジネスなどでも、日常的に使われているマインドコントロールだ。

【7】社会的証明

ほかの人が何を正しいと考えるか、何を選んだかに基づいて、物事が正しいかどうか、どちらがいいかを判断してしまう心理。

たとえ、その分野における専門家でなくても、自分の周囲にいる人や有名人が選んだと聞くと、そのものが正しく、素晴らしく思えてきて判断材料として強力に作用する。

そのため、「こだわりの芸能人○○さんが選び抜いて愛用している」などという話を広めることが、非常に高い宣伝効果を生む結果となるのだ。

【8】希少性

手に入りにくいとされるものほど、それを得るために自分に与えられた機会が貴重に思えてくる。

「限定100個のみ」「今だけプレゼント」「お得意さまをご招待」など、ほとんどの人が通信販売やバーゲンセールで体験したことがあるだろう。

カルト教団などの勧誘はさらに一歩進んで、「あなたは数万人のなかから選ばれた人です」「あなたは運がいい。今なら普段はお会いできない偉い先生に話を聞いてもらえますよ」などと言葉巧みに相手の心理をくすぐる。

【9】知覚のコントラスト

人間の知覚や認識は、対照的な刺激を受けることによって大きな対比効果が生まれる。

例えば、高価なものを見せた直後に安いものを見せると、人は実際以上に安く感じてしまう。

カルト教団などではこのメカニズムを応用して、戦争や災害、犯罪など世の中の不幸な出来事を過激に編集したビデオなどを見せることによって、被勧誘者を絶望的な心理状態に追い込む。そして直後に「教祖の説く真理のみが救いとなります」などと勧誘してくるのだ。

【10】恐怖心

「このままでは病気になる」「除霊しないと災いが起きる」などと相手の恐怖心を煽り、入信させたり、高額の品物を購入させるのはカルト教団の常套手段。

また、脱会を申し出た者には、脱会して不幸になった例を繰り返し示して、「無間(むけん)地獄に落ちる」「悪魔に狙われる」と恐怖をリアルにイメージさせて阻止しようとする。その場合、本人だけでなく家族や子孫、あるいはあの世の先祖までもが不幸になると叩き込むことによって効果がいっそう高まる。

(取材・文/宮崎俊哉 中島大輔 渋谷 淳 イラスト/沼田 健)

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