消費者が“新ジャンル”に求めるポイントが「価格」から「さらなる美味しさ」へ
週プレNEWS / 2013年6月20日 16時0分
キンキンに冷えたビールがおいしいこの季節。仕事帰りにフラッと寄ったコンビニで、数ある商品の中から、ついつい手が伸びてしまうのが“新ジャンル”だ。
なんといっても最大の魅力は、350ml缶=100円強という低価格。「金麦」「クリアアサヒ」「のどごし<生>」「麦とホップ」など、国内メーカーだけでも20種類以上が発売されており、このラインナップの豊富さも魅力のひとつになっている。
そもそも、2003年の酒税法改正を機に、発泡酒より安いアルコール飲料として誕生した新ジャンル。登場するやいなや、あっという間にビール・発泡酒の売り上げを逆転し、いまやビールメーカーにとって欠かせない主力商品にまで成長している。
そんな庶民の強い味方ではあるが、世の中ではどんなイメージを持たれているのか? 先月下旬、株式会社ゲインが「週に3回以上、自宅で新ジャンルを飲用している20歳以上の男女300名」にアンケート調査を行なった。
問【新ジャンルに対するイメージについて、あくまでもビールや発泡酒の代替品であると思いますか】YES=53.3%
半数以上の人が、「本当はビールが飲みたいけど、新ジャンルでガマン」と心の中で思っている。さらに、
問【新ジャンルはどれも似たような味だと思いますか】YES=48.0%
問【中身の美味しさよりも価格設定が魅力的だと思いますか】YES=69%
問【新ジャンルには、もっともっと進化してほしいと思いますか】「そう思う」=81%
……など、ストレートな意見がズラリ。
だが、こうした“新ジャンル=安いビール”というイメージを払拭するような、新しい流れも生まれつつある。それが「キリン 澄みきり」のヒットだ。
5月14日の発売から、わずか1週間で出荷100万ケース(大びん換算)を突破。さらに発売後2週間で年間売り上げ目標の約3割を達成し、7月上旬からは製造工場をひとつ増やすほど売り上げが好調だ。
ヒットの要因は何か。先ほどのアンケートに、以下のような項目がある。
問【新ジャンルについて、どのような点に進化してほしいと思いますか】(複数回答可)1位「ビールと遜色(そんしょく)のない味わい」(77.8%) ※3位「糖質オフ・ゼロなどの機能性」(34.2%)
問【理想の新ジャンルの3大要件は何か】1位「麦本来のうまみ」(48.3%)、2位「のどごしの爽快感」(46.7%)、3位「雑味がないスッキリした味わい」(35.7%)※6位「糖質オフ・ゼロなどの機能性」(25.0%)
こうした消費者の声に、高いレベルで応えているからこそヒットしていると考えられるのだ。
メーカーによると、この「澄みきり」には、120年以上の歴史を持つ「キリンラガービール」のホップの知見、「一番搾り」の麦のこだわり、「麒麟淡麗<生>」の大麦のおいしさを引き出す技術など、キリンが蓄積してきたビール作りのノウハウを投入。さらに、麦本来の味を引き出す新酵母を採用するなど、味にこだわり抜いている。
新ジャンルが登場して、今年でちょうど10年。近年は「糖質ゼロ」「カロリーオフ」などヘルシー志向の商品が人気となっていたが、「澄みきり」のヒットにより、今後のトレンドは「さらなる美味しさ」へとシフトしていきそうだ。新ジャンルはまだまだ進化し続けている。
(取材・文/週プレNEWS編集部)
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