【プロ野球】統一球導入の本来の目的「国際試合への対応」は、そもそも不可能だった

週プレNEWS / 2013年7月2日 10時0分

スポーツの枠を飛び越え、一般ニュースとして連日取り上げられたプロ野球の「統一球」問題。6月28日には都内で第三者委員会の初会合が開かれたものの、内容に関しては非公開。9月末の最終報告書提出まで、すべては伏せられたままになりそうだ。

この第三者委員会による調査がどこまで真相に迫るかはともかく、これをもって「一応の解決」となるだろう。昨シーズンよりボールが飛ぶようになって、打撃戦も増えた。その影響があったかどうかは不明だが、交流戦終了時点での観客動員数がセ・パともに昨年より伸びたこともあり、12球団も「めでたしめでたし」で収束させるかもしれない。

しかし実は、最も重要なポイントはほかにある。問題の発覚後、楽天のエース・田中将大が、それを見事に言い表している。

「(統一球は)『国際試合に違和感なく入れるように』ということで採用したのに、今は打球が飛ぶ、飛ばないの話になって論点がずれている。今年のWBCのボールも、統一球とは触り心地が全然違った。(導入は)意味がなかったのかな、と思う」

国際試合で使用されるボールは、日本のプロ野球で使用していたボールとは革質が異なり、「滑りやすい」との声が選手から多く上がっていた。当然、投手も野手もスローイングに微妙なズレが出てしまい、結果、故障にもつながりかねないという懸念があった。

こうした点を改善すべく、球団間で異なっていた使用球を、国際球に近づけたボールで“統一”しようというのが、統一球導入の本来の趣旨だったはずだ。田中投手が言うように、飛ばないボールにすることが目的ではなかったのである。

ところが、今年3月の第3回WBCでも、相変わらず投手たちから違和感を訴える声が続出した。

「それでも内海(巨人)や田中らは前回大会の経験があるので、まだなんとか対応できていました。しかし、国際大会初参加の牧田(西武)や森福(ソフトバンク)などは、最後まで本来の投球ができなかったと漏らしています」(スポーツ紙デスク)

野球用具メーカー関係者は、旧来の使用球と統一球の違いをこう説明する。

「日本の従来のボールは上質の牛革を使用していて、手にしっとりなじむような感覚だった。統一球は滑る国際球に近づけるため、わざわざ革のグレードを落とすなどの対策をした」

しかし、それもムダな努力だった。第3回WBCの某スタッフは、今年1月の時点でこんな不安を口にしていたという。

「もし同じボールだとしても、日本のドーム球場と、アメリカ西海岸の乾燥した屋外型球場とでは握ったときの感覚はまったく違う。日本の統一球と国際球はメーカーも違うし、違和感がなくなるとはとても思えない」

元も子もないが、風土が異なるのだから同じボールでも使用感までは統一できない。まして、製造メーカーを統一する気もなかったのだから、違和感があって当然。「国際試合に違和感なく臨むための統一球」をつくること自体、最初から不可能な話だったのだ。

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