自民党が社会保障で「高齢者優遇&若者負担増」をする単純明快な理由

週プレNEWS / 2013年7月29日 10時0分

国政選挙において初めて「ネット選挙」が導入されたことで注目を浴びた21日の参院選だが、投票率は52.61%と過去3番目の低さに終わった。

インターネットを使った選挙活動が認められたことにより、とりわけ若者の投票率が上がることも予想されたが、選挙前から「自民党圧勝」ムードが漂い、有権者の足が遠のいた模様だ。

今回の大勝で、国会における“ねじれ”を解消した自民党。いったいどんな政策を優先して進めるのだろう。自民党の大物国会議員の秘書を20年近く務め、第1次安倍政権時には大臣秘書官も務めた経験を持つ池田和隆氏が解説する。

「自民党の支持層といえば経団連(日本経済団体連合会)などの大企業連合や農協(JA)、建設業界などの既得権益団体が頭に浮かぶでしょう。しかし忘れてはならないのが高齢者層です」

国の未来を担っているのが若者世代だとしても、選挙で投票してもらわなければ軽視したくなるのが本音だろう。若者世代と高齢者層の人口比率に加え、投票率に1.5~2倍ほどの開きがあることを考えれば、自民党が優先すべきは支持層=高齢者層の声なのである。

「自民党は投票率の高い高齢者層がいやがりそうな政策を避けて通るでしょう。彼らの票を獲得するため、年金や医療費などの歳出削減には踏み込みたくない。連立を組む公明党も弱者救済を政策の柱に掲げていますから意見が一致するはず。さらに公明党は生活保護費の削減にも慎重です。従って社会保障費に関する歳出削減は、残念ながら今後3年間でまったく進まないと思います。だいたい、昨年の夏に“税と社会保障の一体改革”と声高にうたっておきながら、増税が決まってから以降は社会保障改革の議論をしている様子さえ見た記憶がありません。彼らにやる気がないのは明白です」

社会保障改革が叫ばれて久しいが、一向に打開策は見えていない。しかし、莫大な社会保障費は国の財源を圧迫し続けている。早晩、「どの世代を切り捨て、どの世代の保障を維持すべきか」という議論は噴出するだろう。

「毎年1兆円以上も増え続ける社会保障費の削減ができなければ、その財源は相変わらず赤字国債で穴埋めするしかありません。それは結局、“大増税&低福祉”という悲惨な未来となって今の若者世代を襲うのです」

若者世代に待っているのは、現在の高齢者を負担する増税と、自身が高齢者になったときの低福祉。それに待ったをかけるには、投票に行くしかないのである。

(取材/菅沼 慶)

■週刊プレイボーイ32号「大増税&年金・財政破綻!悪夢のシミュレーション」より

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