「中国非難決議」採択も、アメリカの本音は「尖閣のために中国と戦争する気はない」

週プレNEWS / 2013年7月31日 10時0分

尖閣諸島問題に新たな動きが出てきた。29日、アメリカの上院で、中国による周辺諸国海上での威嚇に対し、自制を求める決議を全会一致で採択したのだ。つまりアメリカは、尖閣諸島は日本固有の領土であると改めて中国に通告し、領海侵犯などの威嚇行為に対し、強くけん制したことになる。

6月7日・8日、カリフォルニアで行なわれた、オバマ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談の直後に提出されたこの決議案。米中首脳会談の席上では「平和的対話での解決」を求めていたオバマ大統領だが、一転して強い態度で臨む手段に出たようだ。

当然、中国国内での強い反発が予想されるが、日本にしてみると強力な援軍。これでやっと、国際的な常識を中国に突きつけることができそうだ。

だが、事はそう簡単には運ばないらしい。外務省のキャリア官僚・S氏が、現在の日米中の関係を明かす。

「8月15日の終戦記念日に安倍首相が靖国神社へ参拝するかしないかの問題では、中国や韓国の反応がクローズアップされがちですが、今の情勢ではアメリカが最もいやがると思われます」

靖国参拝を中韓よりもアメリカがいやがる? どういうことか。

「今のアメリカにとって大事なのは日本ではなく中国で、日中間でよけいなモメ事を起こしてほしくないというのが一点目。さらに靖国問題が発展して尖閣諸島の領有権問題にまで飛び火すれば、アメリカは本当に困るのです」(S氏)

先の米中首脳会談は、2日間で合計8時間にも及ぶ濃密な内容となった。そしてその内容は、いまだ明らかになっていない。一方で、この米中首脳会談の10日後、6月17日から開催されたG8(主要8ヶ国首脳会議)に合わせて行なわれる予定だった日米首脳会談は、アメリカ側の意向により見送りとなっている。

S氏が言うように、今、アメリカが重きを置いているのは、日本よりも中国なのだろうか。S氏が続ける。

「アメリカは表向き、尖閣諸島の問題は日米安全保障条約の適用範囲内だといっていますが、本音ではあんな小さな島のために、アメリカの国益にとって大切な中国と戦争する気なんてさらさらないのは明白です。そしてイザとなったら日米安保なんて発動されないという事実が日本人にバレるのも困る。だから尖閣問題を棚上げしてほしいと一番願っているのはアメリカなのです。

おそらく安倍首相は尖閣に関しては一歩も譲らないでしょう。沖縄の米軍基地問題も根が深いですし、日本の国益を無視してまでアメリカが求めるTPPに参加しても、日米関係は悪化する可能性は高いと言わざるを得ません……」(S氏)

アメリカ上院における今回の採決は、中国へのてのひら返しなのか、それとも表面上のポーズで、実は机の下でがっちり握手を交わしているのか。アメリカの真意は見えない。

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