東京タワーろう人形館の営業終了で気になる人形たちの処遇!

週プレNEWS / 2013年8月4日 6時0分

9月1日に営業終了し、40年余りの歴史に幕を下ろす。特に海外ロックアーティストのろう人形が充実していた

東京タワーといえば、ろう人形館。43年間、訪れる人々に広く愛されてきた「東京タワーろう人形館」が9月1日に閉館する。

ろう人形館の運営会社「インターナショナル・レジャー・コーポレイション」によると、東京タワーとの契約満了に伴い営業終了が決まったとのこと。

東京タワーろう人形館の開業は1970年。東京タワービル3階にある同館内にはレオナルド・ダ・ヴィンチ、リンカーン、ガンジー、マザー・テレサなど歴史上の偉人から、マリリン・モンロー、ザ・ビートルズ、マドンナなど時代を彩ったスターのろう人形が並ぶ。一方で、『最後の晩餐』や『モナリザ』など世界的名画の立体型ろう人形や、中世ヨーロッパの拷問の様子を人形で再現した展示など“守備範囲の広さ”が売りのひとつであった。

しかし、同館の本当の魅力は別のところにあったという。

「“ロックの聖地”でもあったんです。有名アーティストのほかに、通好みの人物を扱っているあたりが、一部マニアの心をつかんでいました」(音楽専門誌ライター)

確かに、館内には「ロックブース」と呼ばれる専門スペースが常設され、かなり趣味性の強い海外ロックミュージシャンのろう人形が立ち並んでいる。ロックファンならいざ知らず、一般客からすれば、少々ハードルが高い雰囲気もある。

ロック愛好家はこう語る。

「そこがいいんですよ! フランク・ザッパやジェスロ・タルのイアン・アンダーソンとか人選も渋い。特に“ジャーマンプログレ”の部屋はアツいんだよなぁ。あそこにはコアなファンでない限り『誰?』ってレベルのろう人形もある。社長の意向らしいけど、東京タワーという普通の人たちが訪れる場所であんなものが展示されているのが面白かったんだよね」




運営会社の社長は相当のロックマニアで「Rock is my life」の精神を地でいく人物だという。そんな彼の方針で、誰もが知るような偉人や著名人のろう人形の展示に限っていたのを、90年代初頭からロックアーティストのろう人形も積極的に扱うようになったとか。

「社長のロック好きは筋金入りです。例えば、ビートルズの名盤のジャケットに実際に使用されたメンバーのろう人形を2000万円で購入。また、ろう人形以外にも、貴重なポスターやチケットの半券など、マニア垂涎のグッズを自ら見つけて買いつけていた。それらをすべて同館で公開してたんだから、ファンとしてはありがたかったです」(前出・ロック愛好家)

そうしてロックファンの聖地として注目を集めていた同館だったが、若い世代の反応は芳しくなかった。

「ろう人形や関連グッズなどに価値を感じられる昔ながらのロックファンって年々、少なくなる一方でしょ。ファンの高齢化も進んでいるし、かといって、そのカルチャーは若者に受け継がれているわけではないですからね」(前出・音楽専門誌ライター)

東京タワービルは、この10月に一斉リニューアル予定。そこに個性あふれるろう人形館がないのは少し寂しい気もするが……。

そして、心配なのは同館にあるという70~100体のろう人形の今後。まさか、お役御免ですべて処分されてしまうのか?

「いえ、当面の間、倉庫に保管します。また、ロック関連のろう人形のみ、別の場所に移転して展示する計画も進行中です。未確定ですが、ろう人形館としての再スタートではなく、ロックカルチャーを語り継ぐための施設になる予定です」(運営会社広報担当者)

なんと、ろう人形館改め、ロックに特化したロック館として再出発をもくろんでいるという。果たして、どんな内容になるのか?

(取材・文/コバタカヒト)

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