セルジオ越後の一蹴両断! 第319回「もうザッケローニにカテナチオをやってもらうしか手はない!」

週プレNEWS / 2013年8月29日 15時0分

国内組だけで戦った東アジア杯を経て、新戦力の融合というテーマが注目されていたけど、世界の強豪との差を思いきり見せつけられてしまったね。

8月14日に行なわれた親善試合のウルグアイ戦、日本は攻撃陣に強力なタレントをそろえる相手に次々と失点を重ね、2-4で完敗した。

確かに、ウルグアイは強かった。ほぼベストメンバーで、本気で戦ってくれた。そんな相手に対し、日本はアジアで戦うのと同じように、最終ラインを上げ、中盤で細かくパスをつなぎ、対等に戦おうとした。

でも、やりたい放題やられてしまったね。力の差がありすぎた。相手に(エースの)カバーニがいたら、もっと大変なことになっていただろう。3戦全敗で9失点だった6月のコンフェデ杯でも同じ光景を目にしたけど、このレベルの相手には歯が立たないことを再認識させられてしまった。

失点につながるミスをした吉田に批判が集まっているけど、2-4という結果は当然、彼だけの責任じゃない。ほかの選手だってミスをたくさんしていた。チーム全体の問題だ。個人に責任を押しつけることは、むしろ問題の本質を見えにくくするだけ。そういう意味で、吉田を途中交代させたザッケローニ監督の采配にはそんな“責任逃れ”の意図があったのではと勘繰りたくなる。結局、あの交代は「おまえが悪い」と吉田を精神的に追い詰めただけだよ。

試合後、選手たちは「修正したい」とお決まりのコメントを残していたけど、それは簡単なことじゃない。今のサッカーで来年のブラジルW杯本大会に臨んだら、組み合わせにもよるけど3連敗でグループリーグ敗退となる可能性も高い。それほど日本は厳しい状況に追い込まれている。




時間はない。個々のレベルも急には上がらない。ただ、それでもブラジルW杯で上位進出を目指すなら、やり方がないわけじゃない。

まず、プライドを捨てること。そして、自分たちは弱いと自覚すること。そこから何をすべきか考える必要がある。本田が「次は引いて守るなんてナンセンス。このやり方を貫く」と言っていたけど、現状では前回の南アフリカW杯同様に、引いて守ってカウンターを狙うサッカーに変えるしか打開策が見当たらない。実際、そうした戦い方ではフランスに勝っているわけだしね(昨年10月に対戦し、1-0で勝利)。

中盤の底にアンカー(守備を重視するMF)を置き、5バック気味にしっかりと守る。前線の選手が必死にプレスをかけて、ボールを奪ってもサイドバックはオーバーラップを自重する。そんな我慢のサッカーだ。コンディションを整え、相手よりも1.5倍走るつもりで戦えばなんとかなるだろう。

具体的なメンバーを言えば、CBの今野をアンカーにして、今野の代わりに最終ラインには栗原か森重を入れる。前線も守備のできる選手を優先。左に岡崎、右に清武、中央に本田だね。もったいないけど、香川と柿谷は得点が欲しい場面での切り札にする。さらにスピードがある永井(名古屋)もメンバー入りさせたい。

ザッケローニ監督はカテナチオの国、イタリアから来た監督だから、そういうサッカーもできるだろう。正直、そんな皮肉を言わなければいけない状況になるとは思わなかったけど、それが日本の直面する厳しい現実だ。

(構成/渡辺達也)

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