「タックスヘイブン」が存在する限り税金逃れはなくならない

週プレNEWS / 2013年10月15日 10時0分

一般庶民には縁遠いものの、「タックスヘイブン」という言葉を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。

「租税回避地」と呼ばれるタックスヘイブンとは、(1)まともな税制がない(無税or軽課税)、(2)外国の政府に対して企業や銀行の情報提供を拒否する、(3)非居住者(個人・法人)の資金を大量に流入させているという3つの条件を満たす国や地域のこと。

つまり、大金持ちにとっては税金逃れをするためにうってつけの場所なのである。

2009年4月にOECD(経済協力開発機構)が公表した「ブラックリスト(国際的な租税基準に非協力的な国・地域)」には、コスタリカ、マレーシア(ラブアン島)など4ヵ国、「グレーリスト(国際的な租税基準の実施を約束したが、まだ実施されてない国・地域)」には、英領バージン諸島、ケイマン諸島など38の国と地域が掲載された。

では、いったいどれくらいの資金がそこにあるというのか? 著書に『アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門』(幻冬舎新書)がある国際問題アナリストの藤井厳喜氏が答える。

「タックスヘイブンに存在する預金総額は最大32兆ドル(約3126兆円)です。そのうち、個人の富裕層が所有している資産は約15兆ドル(約1465兆円)で、これはアメリカのGDPに匹敵する額になります」

想像を絶する額の税金逃れが、このタックスヘイブンでは行なわれている。もっとも活用しているのが、アメリカだ。

「例えば、ゼネラル・エレクトリック(GE)は2010年度に140億ドル(約1兆4000億円)の利益を上げていながら、その年に1セントもアメリカで法人税を払っていませんでした。また、2008年の米国会計検査院報告ではタックスヘイブンに大量の子会社を持つ多国籍企業の実態が続々と判明。例えば、ボーイング社は38社、モルガン・スタンレーは273社の子会社をケイマン諸島などのタックスヘイブンに所有していることが明らかになりました」(藤井氏)

その結果、どうなったか?

「少しデータは古くなりますが、参考になるのが2004年度のアメリカ・財務省の数字。アメリカの多国籍企業は国外で7000億ドルの利益を計上しながら、自国に支払われた法人税額は160億ドル。負担率はたったの2%でした(アメリカの法人税率は35%)」(藤井氏)

本来、国庫に入るべき巨額のカネを留保するタックスヘイブン。もちろんこの問題は、近年の首脳会議ではたびたび議題に上がっており、日本においても、国税庁がタックスヘイブンに財産を持つ日本人リストを入手したとのニュースが流れた。

消費税を増税する前に、こうした巨額の税金逃れ対策をせよ、との声があがるのも当然といえるだろう。

(取材/興山英雄)

■週刊プレイボーイ43号「ニッポンの大金持ちは、こんなにも『タックスヘイブン』で“税金逃れ”をしている!!」より

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