2015年、日本の南西諸島を防衛する「水陸両用部隊」が誕生

週プレNEWS / 2013年10月23日 10時0分

冷戦時代(~1989年)、日本の防衛戦略は基本的に対ソ連(現ロシア)を想定し、陸自・空自は北海道へ重点的に戦力を配備してきた。

だが今や、日本の領土を脅(おびや)かす最大の仮想敵国は中国だ。世界第2位の経済力を背景に軍拡を続け、“海洋国家”を標榜(ひょうぼう)して、多くの船や航空機がわが物顔で日本の南西諸島周辺を往来している。

それどころか、東シナ海を抜けて太平洋へと勢力を伸ばすための足がかりとして、沖縄本島と宮古島の間(仮称:チャイナ・ライン)を爆撃機や軍艦に通行させるなど、その増長はとどまるところを知らない。

こうした脅威に対抗すべく、日本政府は今年9月、尖閣諸島など離島の防衛を目的として、2015年度にも3000人規模の水陸両用部隊を新設する方針を固めた。

この水陸両用部隊を仮に「J-マリーン」と呼称しよう。J-マリーンの組織上は陸上自衛隊に属するものの、米軍でいえば海兵隊に当たる上陸作戦専門部隊だ。艦艇や航空機で敵の占領する離島へ移動し、奪還する任務を遂行するには、海上・航空自衛隊との統合作戦が必須となる。

兵器や人員を南西方面へシフトさせ、陸・海・空の垣根を越えた統合作戦を展開――。言葉にすれば簡単に聞こえるが、これまで切迫した危機に直面してこなかった“縦割り行政型”の自衛隊にとっては未知の領域だ。

宣戦布告から始まるひと昔前の戦争形態(正規戦)ではなく、突発的・局地的な非正規戦闘という形で、いつ現実となってもおかしくない南西諸島方面の“離島有事”。上陸され、占領が長期化してしまえば、守るべき日本の領土を失いかねない。

こうした事態に対応するには、どんな兵器が必要で、どんな体制を構築するべきか? 自衛隊OB、米軍関係者、軍事専門家に聞いた大まかな兵器、人員のシフトは以下のとおりだ。

陸自は上陸作戦を実行する隊員、海自はそれを運ぶ艦隊、空自はそれらを守るための戦闘機部隊となる。

・陸自 全国の陸自普通科連隊の中に「J-マリーン中隊」をつくり、ローテーションで那覇の総司令部(1500人)、下地島の前線司令部(500人)、相浦の基礎訓練センター(1000人)に派遣

・海自 横須賀、舞鶴、呉から佐世保へ、輸送艦・ヘリ空母・イージス艦・駆逐艦・掃海艦・潜水艦をローテーションで派遣

・空自 ロシア機へのスクランブル対応で忙しい北海道・千歳基地は一切動かさず、F-35が導入される青森県・三沢基地と福岡県・築城基地を中心に、全国の空自基地から下地島へF-15×8~10機&F-2×12機をローテーションで派遣

そして佐賀の目達原駐屯地にはJ-マリーン専用飛行隊を常設し、攻撃ヘリ・AH-64D×10機、偵察ヘリ・OH-1×3機、オスプレイ×18機を配備する。

北方や首都圏の防衛をおろそかにすることなく、南西方面にどう兵器・人員を集めるか――、それが現時点における日本の国防の最大の課題だ。

(取材協力/世良光弘、小峯隆生)

■週刊プレイボーイ44号「総力特集12ページ この新部隊&新兵器で自衛隊を『南西シフト』せよ!!」より

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